彼女の死因は現在も調査中である(時事通信フォト)
死亡時の体重は30キロを下回っていたとみられる。遺体からは脳の一部や眼球、喉頭などの摘出も認められたというが、これは死因や拷問の痕跡を隠蔽するためである可能性が高いとされている。
8月26日、このあまりに惨い事案を読売新聞が改めて報じたことで、日本でも衝撃が広がった。
「ロシア側からの説明はなし」
アメリカ合衆国議会の出資によって運営されている報道機関『ラジオ・リバティー』によると、ウクライナ検察ユーリ・ベロウソフ氏は「法医学を用いて原因を特定することは非常に困難な状態にある」と述べている。
「そもそも、ロシチナさんの遺体が返還されるまでに、多くの困難が伴いました。彼女が現地で行方不明になったのは2023年8月で、ロシア側が拘束していることを公表したのは2024年5月。亡くなったのは同年9月19日とされ、そこから返還までさらに5か月もの月日を要した。現在も、FSBに逮捕された際の状況や直接的な死の原因について、ロシア側からの説明はありません」(前出・大手紙国際部記者)
ロシチナさんの取材活動は、危険と隣り合わせだった。