ウクライナ・キエフの聖ミハイリウスキー大聖堂で遺族らが参列した(時事通信フォト)
10代からジャーナリストとして活動を開始し、2022年2月にロシアが本格的なウクライナ侵攻を始めたときには、最初に占領下に入った地区の一つ・ルハンシク州での現地取材に乗り込んだロシチナさん。同年3月にはウクライナ南部のヴァシリウカでロシア軍に拘束されるも逃走し、報道を続けた。
葬儀では何百人が詰めかけ…
そんなロシチナさんを弔うため、葬儀には数百人の市民が詰め掛けたという。ロシチナさんが寄稿していたウクライナのオンラインメディア『フロマスケ』によると、大聖堂で礼拝が行われたのち、彼女の棺を乗せた霊柩車が警察の護衛のもとで大広場へ移動。その際、交通が規制されるほどの大行列ができたという。軍人たちが声高に「ビクトリア(ロシチナ)に栄光あれ!」と叫ぶ一幕もあったという。
ロシチナさんと3年ほど仕事を共にした、同メディアの元編集長アンジェリーナ・カリャキナ氏は「彼女は何かを始めたら途中で投げ出すことはなかった」「取材対象の人たちも、自分の仕事も、決して見捨てませんでした」と彼女の死を悼み、「最高の追悼は、彼女の仕事を継続することでしょう」と意思を継いでいくべきだと強調した。
今後は死亡時の状況や、刑務所の責任について追及する動きが加速すると見られている。葬儀の前日にあたる8月7日には、ウクライナ検事総長事務所と国家警察は、ロシチナさんが投獄されたロシア刑務所の元責任者を起訴したと発表している。
真実が明るみに出る日は訪れるだろうか──。