岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
田久保眞紀氏(55)が伊東市長に就任してから、はや3か月が経った。市長選では〈新図書館の建設中止と、(伊豆高原の)メガソーラー計画の白紙撤回〉を公約に掲げ、2期連続で務めた小野達也前市長を僅差で破り当選。5月30日には宣言どおり新図書館の入札執行を停止した。ここまでは順調だったが──。
〈東洋大学卒業ってなんだ! 彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している こんな嘘つきが市長に選ばれるなんて信じられない! 議会に真実の追及を求める!〉
こう書かれた差出人不明の投書が6月上旬、伊東市議らのもとに届き、議会に不穏な空気が漂い始めた。そして7月2日、田久保市長が記者会見で「(大学は)除籍であると判明しました」と“自白”したことで、火蓋は切って落とされたのだ。
8回にわたる証人尋問などを経て、百条委員会は田久保市長が議長と副議長に見せたという“卒業証書”は事実上、偽造したものであると認定。9月1日の定例市議会において、不信任案が全会一致で議決された。
大きな節目を迎えたわけだが、伊東市政はいまだ混迷の最中にある。
「ここからは、田久保市長が卒業できていないことを知っていて学歴を詐称したかどうかの問題です。しかしこれらに関しては、市長の協力がない限り、真実を解明することは難しい。この後に及んで進退を明らかにしない市長に対し、“論点のすり替え”や“退職金目当て”と批判する市議が多いのも、もっともです」(同前)
敵だらけの状況でもなお、市長を擁護する人間はいる。すでに報じた記事で、市長に「いま辞めないで」と“陳情”したと語った、コンサルティング会社の社長で、政治団体「請願権を実現する会」の代表も務める浜中都己氏が話す。