10人を超える寮生が暴言や暴行を受けていた
「寮生全員が回答していました。20人いるほとんどの寮生が県外出身で、前寮長から道路で殴られた子、食事中に椅子が飛んできたことなど10人を超える寮生が暴言や暴行を受け、『遠くにいる両親に心配をかけたくないから言えませんでした』と書いていて、胸が痛くなりました。
私が教頭に『暴言や暴力を受けたほかの生徒さんたちの保護者はこのことを知っていますか?』と聞いたら、『文書でお知らせはしていますけど、連絡をしていません』と言われました。
文書は暴力で前寮長が解雇されたと書かれていただけで、詳しい内容はわかりません。親に心配をかけたくないと記入している子どもたちのためにも学校から適切に伝えるべきです、と話しました」(同前)
学校は今回、一連の報道があるまで事案を公表することはなかった。だが、前寮長の暴言や暴行が行われていた寮内には「もう一人、部活のコーチが住み込みで常駐していた」と、B君の保護者が打ち明ける。
「寮の1階にはコーチの部屋もありました。前寮長のほかに、そこには息子とA君の所属する部活のコーチが住み込みでいて、私たちには『まったく知らなかった』と答えました」
保護者らは学校に前寮長本人の謝罪の場と、保護者説明会を求めているが……。
「学校にはどちらも『無理です』と断られました。なぜ、前寮長は同席できないのかと尋ねると、『会いたいんですか?』と言われました。人としての謝罪はないのか? と聞いても、『会わせたら感情的になる』と、説明されました。
しかし、前寮長は地元に戻って優雅にSNSの投稿をしている生活で、反省の様子も感じられません。子どもたちの心は完全に潰されてしまいました」(前出・A君の保護者)
取材班は前寮長と妻の前寮母が解雇直後にグループLINEに送信したメッセージを入手。だが、その文面に謝罪の言葉はなかった。