ボウイナイフを購入した後に……
こうした被告の行動を明らかにした弁護人らは、青木被告が犯行当時、統合失調症の影響により判断能力が著しく減弱していたと主張している。対する検察側は、被告が当時、妄想症に罹患していても、責任能力は十分に保たれていたとして完全責任能力があったと主張している。
青木被告は事件前から弟とLINEを交わしており、ボウイナイフを購入した頃、こんなメッセージを送っていた。
〈ごっつえーナイフ買うたった 今年はこれでいっぱい人殺すねん〉
そのメッセージ通りに、被告は1か月後、事件を起こした。
公判は今後、関係者の証人尋問を挟みながら、被告人質問も予定されている。青木被告の責任能力について、長野地裁はいかなる判断を下すのか。事件は被告の性格傾向によるものが大きいのか、それとも妄想による影響が大きいのか……。
◆取材・文/高橋ユキ(ノンフィクションライター)