元交際相手の白井秀征被告(28,本人SNS)のストーカー被害に悩まされていた岡崎彩咲陽さん(当時20、親族提供)
「正直、警官ってなんのためにいるんだろうと思っています」──川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(当時20)の遺体が、元交際相手の白井秀征被告(28)の自宅から見つかってからおよそ4か月。神奈川県警が事件の“対応ミス”を認めたことを受けて、岡崎さんの大伯母があらためてその胸の内を明かしてくれた。
岡崎さんは昨年10月以降、被告のストーカー行為に悩まされ、本人や親族が何度も警察に相談していた。12月20日に岡崎さんが行方不明になり、「白井が犯人ではないか」と考えた親族はこのときも警察にかけ合ったが、遺体発見まで適切に対応されることはなかった。
岡崎さんの親族や友人は、神奈川県警の“対応の不備”や、ストーカー被害の再発防止を訴え、5月以降、署名活動を続けている。オンライン署名だけで4万件近い賛同を得たこの署名の甲斐もあってか、ついに警察が正式に謝罪した。
「神奈川県警察本部は9月4日、対応にミスがあったとしたうえで、『ストーカーなどに対処する体制が形骸化していた』などと謝罪。不備を裏付ける調査結果も公表され、“不十分な対応だった”と認めている。
今回の件で、43名の職員を処分。一つの事案の処分者としては異例な人数だが、担当の川崎臨海署の生活安全課長など、幹部級5名は『減給1か月』をはじめとした懲戒処分、その他38名は口頭厳重注意などに留まった」(同前)
検証結果と再発防止策が示され一件落着──というわけではない。
岡崎さんの父である鉄也さん(51)は、公表された県警の報告書を確認した上で9月4日、横浜市内で会見を開いた。「報告書の一部に、私たちの主張と食い違う記載がある」などと不信感を募らせている。
9月5日、あらためて取材に応じてくれた岡崎さんの祖母の姉がこう話す。