イベントの運営サイドは飼い主に会場への出禁を言い渡した(REDより)
「犬が痛みを感じないわけがありません。私もメキシカン・ヘアレス・ドッグを診察したことがありますが、注射した時には痛みを感じていました。ただ、他の犬種と比べて、皮膚にたるみがある分、皮膚は少し鈍感なのかもしれません。それに性格的におっとりしていますから、他の犬よりは反応が小さいということはあるかもしれない。
しかし、人間が気づかないからと言って、痛みを感じていないというのは間違いです。ましてや入れ墨は人間のエゴであり、虐待です。炎症がおこる可能性もある。入れ墨は犬にとって生きていく上で必要ないもの。明らかな迷惑行為です」
ネット上では、飼い主に対する処罰を求める声もあがっているが、中国の現行法令では、野生動物のみを保護の対象としたものしかなく、飼い主をなんらかの罪に問うことは難しいようだ。
「世界各国では、明確に動物へのタトゥーを禁じている国もあります。ブラジルでは今年6月の法改正で、美容や装飾目的でペットへのタトゥーやピアスを開ける行為に対して、刑事罰が科されるようになりました。罪は重く、2〜5年の懲役のほか、罰金や動物の没収なども科されます。
アメリカのニューヨーク州でも、10年以上前からこうした行為は犯罪化。他にもカナダのある州では尻尾の切断や耳の形を変えるといったペットの整形手術が禁止されています。
日本には明確にタトゥーを禁じる法律はありませんが、ケースによっては動物愛護法違反に該当しうることもあるでしょう」(同前)
今回のタトゥー犬騒動について、公益財団法人「動物環境・福祉協会Eva」の代表理事で俳優の杉本彩さんは「本当にひどい虐待で人間のエゴしか感じない」と怒りを露わにする。