猿翁の三回忌では墓所に姿を見せず
そんななかで起死回生の一手となりうるのが「新作作り」だと見られている。
「猿之助さんは自宅で新作歌舞伎の脚本の制作に励んでいるといいます。これまでにも『ワンピース歌舞伎』など新作で大成功を収めてきた彼だけに、当たれば大きい。とくに映画『国宝』の大ヒットで歌舞伎そのものに注目が集まっている時期だけに、『猿之助の新作』となれば話題性もある。大作の構想を練っているのではとの期待の声も出ています」(同前)
松竹に聞くと、「とくに申し上げることはございません」(広報室)と回答。
そんな猿之助の伯父・二代目猿翁(享年83)が、9月13日に三回忌を迎えた。当日の昼下がり、猿翁が眠る上野・寛永寺墓所はひっそりと静まりかえり、墓石の前には線香と一対の生花が供えられているのみだった。
「この日、猿翁さんの法要は行なわれることはなく、息子である中車さんは京都・南座の舞台に出演中のため、お参りに行くこともなかったそうです。もちろん猿之助さんの姿もありませんでした」
歌舞伎界の寵児として一世を風靡したカリスマには似つかわしくないほどの静かさで迎えた猿翁の三回忌。甥・猿之助の復活を草葉の陰から願っているだろうか。
※週刊ポスト2025年10月3日号