実際にある飲食店をもじった架空の店舗や銘柄のロゴなどが描かれたコスプレで登山。この日は「ワクドナルド」(インスタグラムより)
ある種、“寄行”にも思えるが、馬並さんなりの思いや目的があるという。
「“デリバリー登山”を始めたきっかけは、2021年にとある大手デリバリーサービスの配達バッグがネットで販売されているのを目にし、物珍しさから買ったことでした。『せっかく手に入れたのだから、このバッグを背負ってどこかに出かけてみよう』と思い立ち、高尾山を散策することにした。そしたら、観光客や登山客とすれ違うたびにリアクションがあって。なかには『お疲れさまです!』と声を掛けてくれる人なんかもいましたね。
自分でも意外だったのですが、知らない人から声をかけられたり、びっくりした表情で笑ってもらえたりするのがすごく楽しかったんですよ。周囲の親しい人を楽しませるのは割りと好きなのですが、かなり人見知りする性格なんですけどね。それで、またやりたいと思ってしまいました」
馬並さんの当時の趣味はドライブとランニングだった。当時、年に何回か挑戦するマラソンのタイムが縮まらないと悩んでいた彼は、まったく登山に興味がなかったものの、「登山なら山までドライブも楽しめるし、登山はランニングのフィジカルやメンタルを鍛えるのにいいかもしれない」と思いはじめ、“デリバリー登山”を続けることにしたという。
その後、馬並さんはピザチェーンなどの配達バッグもネットで購入し、それらを背負って登山する姿をインスタに投稿するようになった。しかし、そこで問題が起きた。