投打での活躍が期待されている(写真/Imagn/ロイター/アフロ)
最難関は“最強打線”フィリーズ戦
連覇を阻む最難関はナ・リーグ東地区1位のフィリーズと対戦する地区シリーズとされている。本塁打王と打点王に輝いたシュワバー、MVP2度のハーパーというメジャー屈指の最強打線に今シーズンは2勝4敗(2カードとも1勝2敗)と負け越している。
「そのフィリーズを大谷は9月17日に5回までノーヒットノーランに抑えており、第1戦に登板することで第5戦にも中6日で投げられる。そのためにはワイルドカードシリーズを2連勝で勝ち上がる必要があった」(友成氏)
初戦を大谷の2発で突き放し、2戦目は山本の好投で突破した。レッズ戦の初戦後、ロバーツ監督は大谷の救援での起用の可能性を匂わせていたが、「投手・大谷をフィリーズ戦まで温存できたことは世界一連覇のために非常に大きい」と友成氏は指摘する。
「結果的にレッズとの2戦目では佐々木がクローザーを務めたが、持ち球が直球とスプリットだけなので不安が付きまといます。大谷はフィリーズ戦で先発起用の予定ですが、負ければ終わりの短期決戦では、故障のリスクを冒してでもクローザーでも併用したいところでしょう。2023年WBCの決勝では3番DHで出場しながら最終回にクローザーとして登板したように、短期決戦でジョーカー的な働きができると証明している」(友成氏)
二刀流の起用法は無限大だからこそ、悩ましくも楽しみでもあるのだ。
取材・文/鵜飼克郎
※週刊ポスト2025年10月17・24日号