ライフ

美容医療にも影響?米国の論文検索サイトの更新が停止、PubMedで新しい論文が更新されず、米国の予算停止の影響、AIの台頭につながる可能性も

世界の論文を検索して探し出すことができる、米国PubMed(HPより)

世界の論文を検索して探し出すことができる、米国PubMed(HPより)

 世界の論文を検索して探し出すことができる、米国PubMed(パブメド)の情報更新が停止している。

 美容医療の分野の論文もカバーしているため、最新の研究を探し出すときには影響が心配される。

月に6800万を超えるアクセス

・PubMedの概要:米国NIHの国立医学図書館(NLM)が運営し、美容医療を含む幅広い医学論文を検索できる代表的なサイト。
・利用状況:2025年8月のアクセスは6847万回と推定。米国32.4%に加え、ブラジル・オーストラリア・中国・インドなど世界中から利用と推定。
・現状の問題:政府予算停止の影響で更新が止まり、最新情報の提供や問い合わせ対応が滞る状況となり、SNSでは利用者の嘆きが広がっている。

 PubMedは米国国立衛生研究所(NIH)の米国国立医学図書館(NLM)によって運営されている。美容医療を含めて、あらゆる分野の医学系の論文を探すことのできるサイトとして知られている。

 ウェブサイトのアクセス状況の目安を出しているウェブサイト、Similarwebで調べると、PubMedのアクセスは2025年8月に6847万と算出されている。アクセスの32.4%が米国内からだが、ブラジルから6.2%、オーストラリアからが5.9%、中国から5.1%、インドから5.1%と続いており、世界中からアクセスがあることが推定される。

 ところが10月現在、以下のようにトップページの表示を抜粋するが、更新が止まっていることが分かる。

 政府予算が止まり、このウェブサイト上の情報は最新でない可能性があり、ウェブサイトを通じたやりとりが処理されない場合がある。歳出が承認されるまで当局は問い合わせに対応できない可能性がある。

 この状況のために、世界的に論文の検索を日常的に行っている人たちがSNS上、これに嘆きのコメントを出している。

米国の方針が世界に影響

・背景:米国ではトランプ政権下で研究予算や職員数の削減が進み、医学研究への投資縮小が問題化。その影響が論文検索システムにも及んだ。
・影響:PubMedでの論文検索が制限され、美容医療関連を含む最新研究の入手が難しくなる可能性。直接雑誌にアクセスはできるが、検索性は低下。
・今後の展望: 論文検索の代替としてAI技術の活用が進む可能性があり、医学情報への新たなアクセス手段として注目される。

 米国では、トランプ大統領就任後に、医学研究への予算を止める動きが続いており、これが問題になっていた。これまでに、国の機関における職員数や研究予算の削減が報道されてきた。

 その影響が、論文の検索という部分に現れた形で、論文検索は世界で使われてきたことから、米国の外での影響も無視できない状態になっている。

 PubMedで検索できる論文には美容医療関連の医学誌から掲載されているものも多く、当面、美容医療の最新の研究を検索することもできなくなると考えられる。国内の美容医療の医師にとって、新しい研究成果を参考にしづらくなることは好ましいとはいえない。もっとも、関連の医学誌に直接アクセスすればよいが、検索サイトでは探すのが難しいかもしれない。

  一方で、最近では、AI(人工知能)を使うことで、医学論文を探しやすくなってきている。これを機に、AIによる論文検索の活用が進む可能性もある。

参考文献

pubmed

米国トランプ大統領が薬の値段引き下げ宣言、美容に影響も?世界美容医療大国の追い風に?日本などへの影響連鎖も注目【編集長コラム】

【プロフィール】
星良孝/ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表、獣医師、ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

ヒフコNEWS

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

関連キーワード

トピックス

晩餐会に出席した真美子さんと大谷(提供:soya0801_mlb)
《真美子さんとアイコンタクトで微笑み合って》大谷翔平夫妻がファンを驚かせた晩餐会での“サイレント入退場”「トイレかなと思ったら帰っていた」
NEWSポストセブン
畠山愛理と鈴木誠也(本人のinstagram/時事通信)
《シカゴの牛角で庶民派ディナーも》鈴木誠也が畠山愛理の肩を抱き寄せて…「温かいご飯を食べてほしい」愛妻が明かした献身性、広告関係者は「大谷&真美子に引けを取らないパワーカップル」と絶賛
NEWSポストセブン
第74回関東東海花の展覧会を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2026年1月30日、撮影/JMPA)
《雪の精のよう》佳子さま、ゴールドが映える全身ホワイトコーデに上がる賞賛の声 白の種類を変えてメリハリを出すテクニック
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせインフルエンサー、ボニー・ブルー(TikTokより)
《あなたが私を妊娠させるまで…》“12時間で1000人以上と関係を持った”金髪美女インフルエンサー(26)が企画を延期した真相に「気色悪い」と批判殺到
NEWSポストセブン
イラク出身のナディア・ムラドさん(EPA=時事)
《ISISに囚われた女性が告発》「お前たちは “奴隷” になるためにいる」「殴られ、唾を吐きかけられ、タバコの火で焼かれた」拉致された末の“生き地獄”の日々とは
NEWSポストセブン
ハナ被告の相次ぐ麻薬関連の容疑は大いに世間を騒がせた(Instagramより。現在は削除済み)
《性接待&ドラッグ密売の“第2の拠点”をカンボジアで計画か》韓国“財閥一族のミルク姫”が逮捕、芸能界の大スキャンダル「バーニング・サン事件」との関連も指摘
NEWSポストセブン
アワードディナーに初めて出席した真美子さん(提供:soya0801_mlb)
《鎖骨見せワンショルで“別人級”》大谷翔平の妻・真美子さん、晩餐会ファッションで見せたジャパン推しの“バランス感覚”【専門家が解説】
NEWSポストセブン
サンシャインシティ文化会館を訪問された佳子さま(2026年1月30日、撮影/JMPA)
《メイク研究が垣間見える》佳子さま、“しっかりめ”の眉が印象的 自然なグラデーションを出す描き方、ナチュラルなアイシャドウやリップでバランスも
NEWSポストセブン
インフルエンサーのニコレッテ(20)
《南米で女性398人が誘拐・行方不明》「男たちが無理やり引きずり出し…」メキシコで人気インフルエンサー(20)が生きた状態で発見される【生々しい拉致映像が拡散】
NEWSポストセブン
公用車事故で乗客が亡くなったタクシーの運転手が取材に応じた(共同通信/hirofumiさん提供)
「公用車の運転手は血まみれ」「お客様!と叫んでも返事がなく…」9人死傷の公用車事故、生き残ったタクシー運転手が語った“恐怖の瞬間”「官僚2人がストレッチャーで運ばれていった」
NEWSポストセブン
およそ4億円を強奪した”黒ずくめ”の3人組はいったい何者なのか──(時事通信)
《上野・4億円強奪事件》「『キャー!!』と女性の悲鳴も」口元を隠した“黒ずくめ3人衆”が道路を逆走し暴走、緊迫の一部始終と事件前から目撃されていた「不審な車両」
NEWSポストセブン
送検のため警視庁本部を出る佐藤伸一容疑者(右:共同)
《“色白すべすべボディ”の“ちっちゃい峰不二子”に…》「金もってこい!!」カリスマ東大教授が高額おねだりで収賄疑い…夢中になった”バニーガール風俗”の実態
NEWSポストセブン