賭博の胴元・ボウヤーがついに収監された
米ドジャース・大谷翔平選手(31)の個人口座から約1700万ドル(約26億円)を不正に引き出した水原一平受刑者(40)の事件。ギャンブルの胴元とされるマシュー・ボウヤー被告(50)は、違法なスポーツ賭博の運営やマネーロンダリングなどの罪で禁固1年1日の実刑を言い渡された。8月上旬には、水原受刑者とのやりとりなどを書いた“暴露本”を出版していたことも話題になった。
刑務所に収監される10日10日の出頭期限の直前、ボウヤーは取材に応じ、「大谷マネー」の使い道について赤裸々に明かしたのだった。ノンフィクションライターの水谷竹秀氏がレポートする。(敬称略)
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「大谷マネー1700万ドル(約26億円)のうち、1300万ドル(20億円)はラスベガスのカジノでギャンブルにつぎ込み、全てスってしまったんだ。残りは違法賭博を一緒に運営していた仲間に渡したり、あとはロールスロイスを買ったり、だね」──10月10日の収監を前にボウヤーに電話取材を申し込むと、本人は悪びれもせずにこう語った。
ボウヤーは2021年9月、カリフォルニア州サンディエゴのホテルで開かれたエンゼルス関係者とのポーカーゲームで大谷の元通訳、水原一平と知り合った。この出会いをきっかけに水原はボウヤーが運営するスポーツ賭博に賭け始め、負け続けて借金が膨らんだ。この返済のために、水原は大谷の口座から50万ドルほどの大金を何度もボウヤーの仲間たちの口座に送金したのだった。
仲間から大谷マネーを受け取ったボウヤーは、家族や友人たちを連れてプライベートジェットに乗り込み、ネバダ州ラスベガスにあるカジノリゾート「リゾート・ワールド」などの高級カジノへ通ったという。
「カリフォルニア州の自宅から車で15分ぐらいのところにプライベートジェットの乗り場がある。カジノ側から用意された飛行機に乗って『リゾート・ワールド』に2年間で80回通ったよ。1回につき3〜4日滞在し、最高級の部屋に滞在したんだ」