「父と母はとても仲が良かったんです」と話す祐子さん。写真は元気な頃の両親
B社社長「うちのせいで自殺? 前に出てこい」
──マルチ企業への思いは。
「母の死後、B社の手口を確認するために社長の講演会に行ったんです。すると社長は『うちが人の弱みを利用して、お金を巻き上げて自殺に追い込んだとSNSで言われている。そんな人がいるなら前に出ろと言いたい』と、私の目の前で母のことを笑い話にしたんですよ。母は生前と死後の2回、B社に穢されたと思います。
私が朝比ライオさんの『マルチ被害をなくす会』などで啓発活動を続けるのは、同じような被害者を増やしたくない思いと、母への罪滅ぼしの気持ちがあります。社長の笑い声は今でも忘れません。その怒りが、私が活動する大きな支えです。一生許しません」
(了。前編から読む)
取材・文/前島環夏