青木被告が卒業文集につづった文章
「殺したいから殺した」
「ぼっち」「キモい」という悪口が聞こえるという妄想が続きながらも、父親から任された農園やジェラート店を切り盛りし、また趣味にも勤しんでいた。狩猟免許を取得し、猟銃所持の許可を受け、これらを複数回更新している。複数の猟銃を買い求め、そして2019年2月には、事件で使用したハーフライフル銃の所持の許可を受けた。こうした狩猟免許の取得や更新、拳銃所持の許可や更新の際、合計7回、3名の精神科医の診察を受けているが、いずれも「精神疾患はない」と診断されていた。
バイクや武器の収集も趣味だったようだ。自宅には猟銃のほか、弾丸や多数のナイフ、クロスボウも所持しており、また複数のバイクを購入し、県外にツーリングに行くこともあったという。
そんな暮らしをしていた青木被告は、2023年4月にボウイナイフを購入。片方の刃を研ぎ、ダガーナイフ状にした。このナイフで1か月後、散歩中の女性二人をいきなり攻撃し、殺害する。近所に住んでいた二人は、近隣の散歩を日課にしており、被告の住んでいた家の前の道を散歩ルートとしていた。被告は二人から「ぼっち」と悪口を言われている……という妄想を抱いており、次第に殺してやりたいと考えるようになっていた。
事件当日の午後4時18分ごろ、いつものように散歩していた二人は、被告の家の近くに差し掛かった。畑で作業していた被告は二人から「ぼっちがいるね」「キモいね」と言われている……と思い込み、殺害を決意。一階の物入れに収納していた先の刃渡り30.2センチのナイフを手に取り二人に歩み寄り、一人を刺して殺害。逃げるもう一人を追いかけ、畑の中で刺して殺害した。
同じ畑にいた近隣住民はこの様子を見ていた。「なんでこんな酷いことするんだ」と問うと、被告は答えた。
「殺したいから殺した」