国民民主党の玉木雄一郎代表、不倫密会が報じられた元グラビアアイドル(時事通信フォト・Instagramより)

 実績も経験も玉木氏にはない。このまま政権を取っても、立憲民主党が政権の中心になりかねない。政権がうまくいく公算もない。彼にとって何が何でも自分がトップに立つと思うタイミングは今ではない。国民民主党もそう考えていたのだろう。10月8日、立憲民主党と国民民主党の幹事長、国会対策委員長が会談した際、野党統一候補として玉木氏を有力候補と考えると伝えられた国民民主党の榛葉賀津也幹事長は、「冗談半分でいう話ではない」と応じた。もし仮に玉木氏が首相の座を狙っていたなら、このような反応はしなかったはずだ。政権を取ってマイナスの結果が大きくなるよりも、政権を取らず野党のままでいるマイナスの方がマシ。何かをして失敗するぐらいなら、何もしない方がいいという「不作為バイアス」の思考パターンがあったのかもしれない。

 だが総理の椅子は魅力的。玉木氏も「そもそも連立を組む。組まないにあまり関心がないし、政策が進めばいいと思っている」というスタンスを崩さないが、「声をかけて頂けるなら」とポストに色気を出す。そのため中途半端な欲と期待が発言に入り混じるようになる。

「総理というポストより、国家国民を守り抜くためには政策の一致と実現が重要」と話したそばから、「玉木総理もゼロではない」と言ってみたり、「自民党政権の上で、いい政策には協力するから実現しよう」と語ってみたり。野党同士の会談でいい話ができたと思ったと話したすぐ後に、日本維新の会が自民党との連立を見据えて政策協議に入ったと聞き、維新を「二枚舌みたいで残念」と皮肉ってみたり。政策合意では「約束を破られた」「いろいろ裏切られた経緯もある」というだけに、連立や政策一致に慎重なのはわかる。だがそれより”逃げ腰””ヘタレ””腰抜け”と批判コメントがあがるのは、彼に日本を新しい方向へぐいぐい引っ張っていってくれるリーダー像を期待していた分だけ失望が大きいからだ。

 18日、長崎市の街頭演説で「玉木総理は消えてしまったが、ちょっと待っててください」と語った玉木氏。千載一遇のチャンスに見えた首班指名選挙だが、玉木氏にとっては「今でしょ」ではなかったようだ。

不倫を認め会見で謝罪した玉木雄一郎議員(時事通信フォト)

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