酒はたまに飲むことはあったが、持病があるため控えていた
「夕方に警察署から不幸な連絡があったんです。急いで警察署に駆けつけましたが、担当の警察官から『遺体はあまり見ない方がいい』と言われました。だからその時は弟の顔の確認くらいしかしませんでした。目の下には少しアザのようなものがあり、唇や頭にも少し血の塊がついているのが見えました。怖くて、それ以上は見られませんでした。だから、傷だらけの遺体を見たのはその後、火葬場でのことです。
後日、警察から現場の話を聞きましたが、辺り一面血の海で、ドアの目の前でうつ伏せになり死んでいたと聞いています。おそらく、怖くて逃げようとしていたのではないでしょうか。死因は、『循環血液量減少性ショック』と診断書には書かれていて、相当な量の出血があったのだと思います」(バダルさんの兄)
警察から聞いた現場の様子には、普段の弟の生活からは考えられない不可解な状況も確認されたのだという。
「不思議だったのは、大きなアルコール缶が現場に8本くらいあったと聞いたことです。実は弟にはDVTと言う『静脈血栓塞栓症』と呼ばれる持病がありまして、薬を飲まないと血が固まって足が腫れてしまう。そのため、血液をサラサラにする薬を朝晩毎日飲んでいました。だから血流が良くなりすぎるお酒は控えるようにしていたんです。リラックスできるからと言って多少飲むことはありましたが、弱いですし、8缶という量は異常に感じました。
浅香容疑者は小柄だから、体の大きい弟が抵抗できないように無理やり飲まされたのか、あるいは彼女が飲んだのかわかりませんが、違和感を覚えました」(同前)
振り返れば「幸せそうに見えた」という浅香容疑者とバダルさんの関係と凄惨な事件とのギャップに、兄は戸惑いを隠せない。

 
             
             
             
             
             
             
             
             
             
             
            