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ホテルで11歳年上の女に刺されたバダルさん(21)の遺体に「数十か所の刺し傷、左手には刃物が貫通した跡」、現場には「大きなアルコール缶が8本」の違和感「弟は酒を控えていた」【ネパール人殺害・実兄取材】

11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。音楽が好きでSNS配信でも人気を博していた

 大好きなアニメを生み出す日本での生活を夢見て、ネパールからやってきた仲のいい兄と弟。2人を引き裂いたのは、弟の11歳年上の交際相手による凶行だった。【全3回の第3回。第1回から読む】

「警察の発表では弟の胸に深い傷があったと報じられていますが、実際の遺体には首やお腹、左腕や足首を含めて、数十か所の刺し傷がありました。左手には刃物が貫通した傷跡も。彼女の襲撃を避けようとして、できた傷なのかもしれません。変わり果てた姿に言葉が出ませんでした」

 そう語ったのは、船橋市内のホテルで刺殺されたと見られるネパール国籍のチャンタール・バダルさん(21)の兄だ。

 10月28日、千葉県警は、千葉市稲毛区に住むアルバイトの浅香真美容疑者(32)を殺人容疑で再逮捕したと発表した。浅香容疑者は今月5日午前4時35分から8時15分ごろまでの間、船橋市内のホテルで、ネパール国籍のチャンタール・バダルさんの胸などを包丁で刺し、殺害した疑いが持たれている。

 日本のアニメが好きで、日本語を熱心に勉強し、学費を稼ぐために居酒屋と工場でアルバイトをしていたというバダルさん。その工場で出会ったのが、後に交際相手となる浅香容疑者だった。10月頭には「別れたい」と兄に語り、「彼女がめっちゃ泣いていた」とこぼすなど、事件直前に浅香容疑者との関係に悩んでいたというバダルさん。

 事件当日、2人の間で一体何があったのか──。

 10月4日、兄に「今日は彼女に会う最後」と言い残して家を出たバダルさん。しかし翌5日、警察から一本の電話がかかってきた。

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