浅香真美容疑者(32)の実家
「事件が起こる1か月ほど前に浅香さんと夜勤で一緒になった際、『バダルさんと同棲しようと思っているの』と嬉しそうに話していました。隠すような素振りもせずに友達に話していたので、ほかの同僚の多くも知っているはずです。
私が最後に浅香さんと話したのは、事件が起きる3日前でしたが、特別思い詰めたような様子もなかったし、普段と変わりませんでした。だから殺人事件と聞いて工場中が大変ショックを受け、驚いています。『何があったの? だって同棲するって言っていたでしょ?』って彼女に聞きたいです。本当に残念です」
バダルさんの兄は弟について「ハンサムで優しい自慢の弟だった」と語り、人気者だったと振り返る。兄弟はTikTokで一緒にふざけて笑い合う動画を撮るほど仲が良く、なかには皮肉にも「日本人の彼女ができた」「デートだからお小遣い頂戴」という弟を、兄がいじる動画も投稿されていた。
悲しみとは一切無縁だったはずの兄は事件後、「もし来世があるなら、俺はまたお前の兄弟として生まれたい」「神様でさえ夜には寄り添う相手が必要なんだ」と、ネパール語で苦しい胸のうちを明かす動画を最後に、更新していない。
これらの動画には「ご冥福をお祈りします」と言った日本語の投稿の他にも、「Be strong(強く生きて)」「Rest in peace(安らかに眠って)」といった兄の悲しみに寄り添い、バダルさんの死を悼むコメントが国内外から数千件投稿されている。
浅香容疑者は犯行に使用したとみられる刃物の窃盗容疑で逮捕された際、「付き合っている彼氏と一緒に死のうと思い、どうせ死ぬなら盗んでもよいと思った」と供述している。その後、殺人容疑については再逮捕当初「間違いです」と否認した後、現在は黙秘を続けているという。事件の真相解明が待たれる。
