AIが予測「クマ遭遇地形が丸わかり」【東京】

AIが予測「クマ遭遇地形が丸わかり」【東京】

東京西部の危険エリア

 山が多い東京西部にも危険エリアがある。

「クマとの遭遇情報が前年比2倍超となった日の出町(西多摩郡)ですが、AI予測での遭遇リスクも高く出ています。日の出町は森林が近く、町内を平井川が流れている。その川沿いに薮を伝って出てくる傾向があると思います」(深澤氏)

 クマが川沿いの薮を移動している可能性を示唆するAI予測の結果は、生態研究によっても裏付けられるものだ。小池氏はこう解説する。

「クマは基本的に姿を見られることを好まず、姿を隠せる薮などを伝って移動します。河川敷は薮が線状に繋がっていることがあり、警戒心の強いクマからすると移動しやすい。市街地の出没事例で近くに川が多いのはそうした理由からです」

 そろそろ冬眠の季節に入るが、いつまで警戒が必要なのか。小池氏はこう注意喚起する。

「個体や地域差による時期のずれはあっても、クマは必ず冬眠します。しかし、今は人里のすぐ裏側辺りで冬眠する個体もいるはずです。市街地や住宅での誘引物の除去、川沿いの薮の伐採などの対策は続けるべきです」

 深澤氏によれば、都内の要注意エリアは日の出町以外にもあるのだ。

「武蔵村山市の狭山丘陵は山や森としては飛び地ですが、近くにクマが生息している広大な山があるため、そこから今後クマが移ってくる可能性がある。そのため、AI予測的には遭遇リスクが高く出ています。また、八王子市周辺は山間に集落があり地形的に秋田に似ているため警戒が必要です。こういったエリアではハイキングなどのアクティビティのときに遭遇する可能性があります。特に人の気配が少ないエリアでは注意してほしい」(深澤氏)

 AI予測を対策に活かしたい。

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※週刊ポスト2025年11月28日・12月5日号

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