衆院予算委員会で高市早苗首相に「存立危機事態」について質問する立憲民主党の岡田克也元幹事長。11月7日、国会内(時事通信フォト)
高市氏のこれまでの答弁や発言を振り返ると、否定されれば反論し、追及されれば突っ込んでいきやすく、相手を納得させようと政策などについても詳しく説明する傾向がある。そんな彼女のクセを議員経験の長い岡田氏が知らないわけがない。首相という立場になってからの高市氏は、彼女らしさを前面にこれまでの首相にはない外交手法を見せ、支持率も高く批判も少ないため、波に乗りその傾向やクセが出やすい時期でもある。岡田氏の発言は、そんな彼女のクセを見事に刺激したのだろう。
武力行使という言葉を口にした高市氏に対し岡田氏は「武力行使と言うべきじゃない」と釘をさし、政府の認定には「慎重な運営が求められる」と発言。自身のメールマガジンで「全く不用意な発言であり、私自身びっくりしました」と述べているというが、予算委員会でのやり取りを見ていると、不用意な発言を狙ったもののよう気もしてくる。
野党としては首相から失言を引き出せたといえるが、質問による答弁で国益が害されたとなれば後味はよくないだろう。今回のやり取りで、答弁の危うさが指摘された高市氏だが、質問する側にも危うさがあることは否定できないと思う。
