国内

高市首相の“台湾有事答弁“ 引き出した立憲・岡田氏は首相の“クセ“を狙ったのか?臨床心理士が分析

高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)

高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)

 11月7日の衆議院予算委員会で起きた、いわゆる台湾有事をめぐる国会答弁をめぐる混乱が続いている。そして、高市早苗首相から問題の言葉を引き出したかっこうになった立憲民主党の岡田克也元外相が、24日に質問の真意を説明したことが話題になっている。臨床心理士の岡村美奈さんが、発言の危うさはどこにあるのかについて分析する。

 * * *
「一部の政治家に不用意な発言が相次いでいると思う」と述べてから1年前の自民党総裁選挙での高市早苗首相の発言について質問を始めた立憲民主党の岡田克也常任顧問。その発言通り、高市首相から”不用意な発言”を引き出した。野党の挑発に乗せられてしまったような高市氏だが、いかにして岡田氏の挑発に乗せられた形となったのだろうか。

「慎重に考えないといけないですよ」ということを言いたかったと24日に島根県で行われたタウンミーティングで説明した岡田氏は、高市氏から「全く逆の答えが返ってきてしまった」と語ったという。当初、岡田氏が思っていたのは、歴代首相と同じように具体的なケースへの言及を避けた答弁だったのだろう。だが高市氏は踏み込んだ答弁をした。

 岡田氏が聞いたのは「中国により台湾の海上封鎖がし発生した場合、存立危機事態になるかもしれない」という1年前の高市氏の発言について。「どういう場合に存立危機事態になるとお考えか」と高市氏に問うたのだ。

 存立危機事態とは「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃発生、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態が生起した場合」のことで、政府が存立危機事態を認定し防衛出動を発動すれば、条件はあるものの自衛隊は武力行使が可能になる。

 高市氏は「実際に発生した事態の個別具体的な状態を、政府が全ての情報を総合的に判断する」と従来の政府の見解を説明。岡田氏は納得せず、再び「どういう場合に存立危機事態になるのか」と質問。これに高市氏も再び同じような答弁を繰り返す、だが岡田氏が「今の答弁では幅広く、限定的ではないことを懸念している」という主旨を述べた上で、「存立危機事態になると、軽々しく言うべきではない」と発言。自らの発言を諫められた高市氏は、「最悪の事態を想定しておくことが必要」として、「戦艦を使って武力の行使を行うものであれば、どう考えても存立危機事態に成り得るケースだ」と言い切った。

関連記事

トピックス

大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン