途中でなぜかゴミを拾うような姿が映っていた(読者提供)
「やっぱり最近薬を変えたのが影響していたのかなと……。とにかく私たちも気が動転していて、すみません。遺族の方には、本当に申し訳ないです」
男は運転免許証を取得していたと報じられているものの、母親によると、医師からは運転を止められていたのだという。
SNSなどでは「精神疾患がある人から免許を取り上げろ」といった差別的な意見も散見されているが、警察庁は持病などをもつ運転者については、「一定の病気などに係る運転免許関係事務に関する運用上の留意事項について」という通達に基づき運用している。
統合失調症であっても、医師が「安全な運転に必要な能力を欠く恐れのある症状はない」と診断すれば、免許の拒否などがされることはない。持病があっても車の運転ができるケースは少なくないのだ。SNSなどに見られるような極論ではなく、あくまで個別ケースで判断すべきだろう。
今後は、この男が免許を取得した経緯や、安全な運転に必要な判断能力があったのかどうかも鑑定が進むものとみられる。制度づくりに関する議論の必要も出てくるかもしれない。
あまりに悲惨な事故──背景を明らかにすることは第2、第3の事故を未然に防ぐことに繋がるだろう。
