2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(AFP PHOTO / UNITED STATES DISTRICT COURTFOR THE SOUTHERN DISTRICT OF NEW YORK)
12月3日(現地時間、以下同)、米・下院監視委員会の民主党の委員は、性犯罪で起訴され勾留中に死亡したジェフリー・エプスタイン元被告が所有していた“エプスタイン島”の写真を、新たに200枚近く公開した。エプスタイン元被告は、その島で未成年の少女らを巻き込んだ大規模な性的搾取をした疑いにかけられていた。【全3回中の第1回】
通称“エプスタイン事件”は、まだその全貌が明らかになっていない。複数の訴訟内容によると、11歳の少女に対する人身売買や、14歳の少女への性的虐待など、少なくとも数十人の被害者がいるとされている。しかしエプスタイン元被告は本裁判が開始される前の2019年8月10日に勾留中に自ら命を絶ったため、本人に対する刑事裁判が強制的に終了した。
ただし、被害者による勇気ある告発や、裁判資料の公開を求める声が米国で上がっており、現在も真相究明に向けた動きが進んでいる。
大手紙国際部記者が解説する。
「“エプスタイン事件”の闇深さは、元被告がアメリカの大富豪であり、多くの富豪や著名人、政治家と親交があった点にあります。くわえて、そうした大物らに少女買春を斡旋していたのではないか、ともいわれています。
そうしたなか、エプスタイン島へのフライトログ──つまり、“買春ネットワーク”の顧客リスト──を含めた『エプスタインファイル』と呼ばれる資料の公開が求められている。もしそれらが公表されれば、エプスタイン島で行われていた違法行為に関わっていた人物が白日の下に晒される可能性がある。今回の資料公開は、その第一歩と見る向きもあります」
エプスタイン元被告と親交があった人物の1人が、米ドナルド・トランプ大統領(79)だ。
