事件が起きた会社は国内に複数の拠点を持つフランス資本の外資系メーカー
「事件当日の午前9時45分ごろでしょうか、『ギャー』といった女性の悲鳴が聞こえたんです。それが被害者なのか、助けに駆けつけた女性スタッフかはわかりませんが、部屋の外に出たら『救急車呼んで!』とか怒号が飛びかっていて大騒ぎになっていました。
すぐに騒ぎの現場に行くと、顔面血だらけの被害女性が倒れていたんです。その目の前に、犯人が別のスタッフに後ろから押さえつけられたまま、抵抗はせずに、下を向いて無言で立っていました」
この関係者は被害女性を助けようとすぐに行動したという。
「女性はどこを刺されたのかが分からないくらい血まみれで、とにかくタオルで止血をしようと傷口を探しました。眉間の真ん中を切られ、左の鼻から唇にかけては縦にざっくり、鼻から唇の間が開いてしまっていました。左首も一か所切られていて、とんでもない出血量で。5人くらいでタオルを使って止血しましたが、上半身から下半身まで服が血まみれになるくらい出血していた。救急隊員と電話しながらも、AEDや人工呼吸をしましたが、意識はまったく戻りませんでした。
ナイフも直ぐに回収して透明のビニール袋に入れたんですが、家庭にあるような包丁ではなく、かなり長いナイフでした。部屋の隅でスタッフに確保されていたリュウ容疑者は、10分ほどして到着した交番のお巡りさんから隣の部屋で取り調べを受けてから、連行されて行きました。私も今でもこの時の光景が頭に残っていて、眠れない日が続いています」
事件から1週間を経ても、頭から離れないという壮絶な光景を、言葉を選びながら振り返った会社関係者。この人物はリュウ容疑者とも交流があったといい、第3回では容疑者について「不審に思っていたこと」を明かした。
