通算勝利数は日本競馬史上10位で現役最多という名伯楽・国枝栄調教師
最優秀2歳牡馬に選ばれて、翌年は皐月賞トライアルのスプリングステークスから始動。1800mが微妙に長かったのかもしれないが、1着キタサンブラック、2着リアルスティールからコンマ1秒だからけっして悪くない。ただ皐月賞で5番人気に支持されたが、距離の壁なのか11着。路線をはっきりマイルに切り替えてダービーは回避した。
秋初戦、古馬相手の富士ステークスを勝って前途洋々に思えたが、その後の重賞では善戦止まり。気性が悪いというのではないのだが、敏感すぎるところがあって乗り方が難しかったようだ。2歳チャンピオンになったのだから、もっとどっしりと落ち着いてほしいと思ったものだ。
引退後は国内にディープインパクト産駒が多かったからか、請われて南アフリカへ。遠い異国の地での種牡馬生活でGIIの勝ち馬を出している。
【プロフィール】
国枝栄(くにえだ・さかえ)/1955年岐阜県生まれ。東京農工大学農学部獣医学科卒業後の1978年から美浦・山崎彰義厩舎で調教助手。1989年に調教師免許を取得して1990年に開業、以後優秀調教師賞7回、優秀厩舎賞7回。主な管理馬はほかにブラックホーク、マツリダゴッホ、サークルオブライフ、ステレンボッシュなど。
※週刊ポスト2025年12月26日号
