母親名義のマンションの居室からは刃物も見つかったという
”知人男性”にマンションを借り上げて…
「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん。朝、家の前に停めてある車で仕事かなにかに出かけていくのをよくお見かけしていました。旦那さんとお子さんが自転車でどこかに遊びに行っていることもあって、普通に仲のいいご家庭なんだと思っていました。どういう人かと言われても“普通の一家”としか言いようがないですが、奥さんは3人お子さんがいるようには見えない綺麗な方でした」
ほかの近隣住民も「仲のいい家庭だった」と口を揃えるが、なかにはこんなことを話す人物もいた。
「個人的な付き合いがなかったので多くは言えませんが、日中家にいることが多く、社会に出ているお母さんではないのかなと思っていました。というのも、コミュニケーションが苦手な女性だという印象があって。私が挨拶をしてもスルーされるようなことが何度かあったので、あまり関わらないようにしていた」(近隣住民の30代男性)
事件後、警視庁はこの一家の自宅などを捜索。自家用車から見つかった賃貸借契約書から、死亡した母親が自宅とは別の場所に賃貸物件の一室を借りていたことが判明した。一家心中から3日後に、事態は新たな展開をみせる。
「22日夜、西東京市で心中したとみられる母親が3月から契約していたマンションで、会社員の中窪新太郎さん(27)の遺体が見つかった。マンションは一家の自宅からおよそ5.5キロ離れた練馬区の賃貸物件でした。
捜査関係者によれば、遺体は居室内の目張りされたクローゼットの中から発見された。中窪さんの体には腹や太ももなどに十数か所の刺し傷や切り傷があり、部屋のソファーからは刃物も見つかっている。中窪さんはこの部屋に住んでいたとみられるが、別の場所にも居住歴があったとされており、警視庁は心中事案との関連を調べている」(前出・社会部記者)
この男性はマンションの1階で暮らしており、亡くなった母親とは歳が離れた数年来の“知人”だった。あるキー局社会部記者は「心中した一家の自宅から中窪さん宛ての手紙が見つかった。交際関係の線も視野に入っている」と言う。
一軒家に住み、家庭をもつ母親が賃貸物件を借りる──不可解だが、その理由はまだわかっていない。毎週、この場所を訪れるというデリバリーサービスの配達員はこう明かす。
「あの部屋の男性はヘビーユーザーで、配達員がほぼ毎週配達にきていました。私のときはほとんど無言でオートロックを開錠して置き配でしたし、時間指定のときは19時〜21時だった。昼間は仕事だったんでしょうね。毎週のようにお届けにあがっていたけれど、12月に入ってからパタリと止んだ。まさか亡くなったとは思いませんでしたよ」
謎が多いこの事件。真相の究明は始まったばかりだ。
