中日クラウンズゴルフの最終日、最終ホールで優勝決定のパットを決め、ガッツポーズをする尾崎さん(1997年、時事通信フォト)
アカデミーで後進育成にも尽力
キャリアの後半から晩年にかけては、その情熱を「後進の育成」へと注いだ。2018年には「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」を設立。前出のスポーツ紙記者が、尾崎さんの抱いていた切実な思いを振り返る。
「尾崎さんは以前からインタビューなどで『ゴルフの学校を作りたい』という構想を明かしていました。その根底にあったのは、ご自身の経験です。
ほかにも『僕がひと回り大きなゴルフをしたいともがいていた時期でも、肉体トレーニングから技術に至るまで、それを示唆してくれる人も土壌もなかった』と語っていたのが印象的でした。自分のような遠回りはさせたくない。『これからの若い人たちがきちんとした指導のもとで育てば、世界は夢ではなくなる』などと語り、そう信じて疑わなかったのです」
全米女子オープンを2度制した笹生優花(24)、今季の日本女子ツアーで賞金王に輝いた佐久間朱莉(23)ら、「門下生」たちが次々と覚醒。“ジャンボの遺伝子”を受け継ぐ若き才能たちが今、世界を舞台に躍動している。
「ジャンボさんは技術論を延々と語り合うことを何よりも愛し、長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督ら、道を極めた他競技のアスリートとも広く交流がありました。記録にも人々の記憶にも残る、稀代のアスリートでした」(前出・スポーツ紙記者)
三兄弟の長男であるジャンボは、次男・健夫(ジェット)、三男・直道(ジョー)をトッププロに育て、“3J”で141勝を挙げている。その弟2人は、こうコメントを発表した。
