「自分の経験値を上げ、表現できる量を増やしていきたい」
「赤ちゃんも大好きなんです」
今年50歳になり、今までとは違うフェーズに入ってくるのかなあと感じています。大きな病気はしたことがありませんが、年齢相応に細かい字が見えにくくなり、脂っこい食べ物が苦手になったりしていますから。10代、20代の頃は私、食べることが大好きで、「そんなに食べるの!?」って驚かれるほどだったんですよ。週3回焼肉でも平気で、食べ放題のお店にもよく行っていました。「あれ、小梅じゃない?」とジロジロ見られても、食欲が勝っていて(笑)。それが今では食が細くなり、野菜が好きで、あまり凝った調理をするより素材が美味しい食材をあまり手をかけないで楽しむ食べ方に変わってきました。
女優としても、だんだん母親の役も馴染んでくる年齢になりました。でも、年齢に応じた中身の成長って難しい。30代、40代と年齢が上がるにつれ、だんだん自分の年齢と経験値の差が開いてくるのを感じ、壁にぶち当たり、悩むことが増えてきました。母親役をやるにしても、結婚していないし、子どももいませんから。結婚したくなかったわけではないし、赤ちゃんも大好きなんですけど、演じることが楽しくて。演じるほうを優先してきた結果なんです。
これからどう生きていくか、どうなっていくのか──私自身、模索しています。経験していないことは、これから経験したり、周りを見て吸収したりして、蓄えていくしかない。たとえば、食べたことのないものを食べたり、苦手な運動を始めたり、バラエティーなどこれまであまり挑戦してこなかったジャンルにも身軽に挑戦したりしながら。そうすることで自分の経験値を上げ、表現できる量を増やしていきたい。お芝居は、私の中に当たり前にある1本の芯のようなもの。ずっと続けていくんだろうな、と思っています。
お芝居って、初めて会ったような方たちといきなりセリフをやり取りしているのに、心が通じ合えたと感じる不思議な瞬間があって、その瞬間って何ともいえない幸せを感じるんです。反面、後で自分の演技を思い返して、「どうしてあのとき、こういう表現を思いつかなかったんだろう」と悔しくなることのほうが多い。
だから、また次の作品、次の作品……と追い求めてしまうのかもしれません。来年1月からの舞台『姫が愛したダニ小僧』では破天荒な自由人キャラを演じます。30歳のときに一度演じたことがある役なのですが、50歳の今演じたらどうなるのか。テレビではなかなかやらないキャラクターなので、私自身が今からワクワクしています。
取材/文 中野裕子(ジャーナリスト) 撮影/山口比佐夫
【出演情報】
『姫が愛したダニ小僧』
上映日:2026年1月9日(金)~18日(日)
場所:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
作・演出:後藤ひろひと
出演:紅ゆずる、水田航生、松井愛莉、平井まさあき(男性ブランコ)、浦井のりひろ(男性ブランコ)、山崎真実、桜庭大翔、梅澤裕介、丹下真寿美、大路恵美、腹筋善之介、中村まこと、後藤ひろひと、波岡一喜
