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《『ひとつ屋根の下』の“小梅”と呼ばれることに葛藤も》50歳になった女優の大路恵美さん、「結婚したくなかったわけではない」母親の役への嬉しい悩み

女優の大路恵美さん

女優の大路恵美さん

 1993年の大ヒットドラマ『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)で次女・小梅役を演じた女優・大路恵美さん。その後も女優として活動を続け、4年前からたけし軍団のメンバーが主に所属する芸能事務所「TAP(旧社名:オフィス北野)」に所属している。

 今年50歳を迎えた大路さんに、事務所移籍の理由や女優業についての思い、これからの展望などについて聞いた。【前後編の後編。前編から読む

ウィキペディアにある「間違い」

「TAP」に所属させていただいたのは、「TAP」の社長である、つまみ枝豆さんの奥様、江口ともみさんとのご縁でした。ドラマで共演し、お互い「顔が似てる、って言われますよね」とお話したのがきっかけで、仲良くさせていただいていたんです。せっかく「TAP」に所属させていただいたので、これからはバラエティー番組にも積極的に出ていけたらいいな、と思っています。もちろん演じることは、私にとっては無くてはならないものですけどね。

 女優になったのは、中学3年のとき、あるオーディションに応募して芸能事務所にスカウトされたのがきっかけ。ウィキペディアには、私が当時、演劇部に入っていた、とありますが、実際には調理部に籍を置いていたので、それまでお芝居の経験はまったくありませんでした。

 地味な学生でしたし、女優になって目立ちたかったというより、テレビが好きで「テレビに出る人になりたい」という軽い気持ちで応募したんです。スカウトされ兵庫・加古川から、中3の6月に母と一緒に上京しました。母や学校の先生には「騙されてるんじゃないか」と反対されましたが、父は「やりたかったらやればいい」と背中を押してくれました。

 東京に母が一緒にいてくれたのは、最初の3カ月だけ。その後はマネージャーさんの家の近くのアパートで、1人暮らしをしていました。上京してくるときは「やったー! 一人の部屋がもてる!」と嬉しかった私もしばらくして、さすがに1人の部屋は静かでホームシックになりました。私は5人兄弟の真ん中、という『ひとつ屋根の下』のような賑やかな家庭で育ったので。

 でも、家事には不自由しませんでしたよ。両親は共働き。家事は小さい頃から、兄妹で手分けしてやっていたんです。小梅は“料理が苦手”という設定でしたが、けっこう得意だったんです(笑)。苦手だったのは、早起きすること。朝早いロケのときなど、父がモーニングコールをして起こしてくれていました。

 お芝居は経験がなかったので、実際にドラマや映画に出ながら学んできました。とくに樹木希林さん(享年75)には厳しく指導していただきました。『ひとつ屋根の下』に出演する2年前の1991年、TBS系の『先生のお気にいり!』という学園ドラマで樹木さんは高校の先生、私は演劇科の生徒役で共演させていただいたんですけど、「ねえ、あなた、なんでそんなふうに歩いているの?」と仰るんです。え、歩き方に意味があるの!? ってビックリ。

 そういうことが続き「また怒られるのかな」と、撮影していた緑山スタジオに向かう坂を上りながら胃がキリキリ痛くなって、正露丸を持ち歩きながら撮影していました。後々、樹木さんの教えてくださったことがわかるようになり、今は本当に感謝しています。

『ひとつ屋根の下』の演出家の方々にも丁寧に指導していただき、これまで女優としていろんな作品に出演させていただきました。でも、『ひとつ屋根の下』の役名・小梅、と呼ばれ続けることに葛藤を抱えた時期もありました。30代を超えた頃かな。みんなの私についての記憶がずっとそこでとどまっているんだな、抜け出したい、って。でも、いつだったか、ある方に「代表作があるからこそ、大勢いる俳優の中から大路恵美を見つけてもらえるんだよ」と言われ、そうだ、ありがたいことなんだ、と気付かされました。今では“私の宝”と思っています。

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