オスロ市庁舎で開かれたノーベル平和賞授賞式で、記念メダルと賞状を受け取ったナディア・ムラドさん(左/AFP=時事)
ナディアさんと他の女性たちは、イラクの都市モスルへと連行されて、「殴られ、唾を吐きかけられ、タバコの火で焼かれた」という。さまざまな家に監禁される日々のなかで、心身ともに責め苦を受けた。
「嫉妬や怒りから、自身を虐待した男性の妻に殴られることもあったそうです。その後、なんとかナディアさんは逃げ出して難民キャンプにたどり着くことができました。
ナディアさんと同じコチョ村で暮らしていたシパン・カリルさんも、ISISの性奴隷にされた経験を海外メディアで告白しています。当時まだ15歳にも満たない少女でしたが、手首をソファの脚に縛り付けられ、気を失うまで殴られたとのことです。
彼女たちはまさに生き地獄を味わいましたが、その裏で、誰にも知られず命を落としていった人々も大勢いたことでしょう」
2017年より急速に衰退したISISだが、完全に壊滅したわけではない。現地時間1月19日には、アフガニスタンの首都カブールの中心部で爆発が発生。7人が死亡し、ISISの分派が“中国人を狙った自爆テロだ”との犯行声明を出したと報じられている。アメリカ軍は今年に入り、シリア全土でISISを標的とした大規模攻撃を再び行った。
どんな大義があろうと、弱者を踏みつけた瞬間に嘘になる。ナディアさんらの悲劇を忘れてはならない。
