国内

野田聖子独白70分 総理をめざす女たちの「悪名」と「宿命」

野田聖子・子ども政策担当相にノンフィクションライターの常井健一氏がインタビュー

野田聖子・男女共同参画担当相にノンフィクションライターの常井健一氏がインタビュー

 日本初の女性総理候補と目される政治家たちの本音を聞く連続インタビュー。第3弾に登場するのは、過去に何度も断念した自民党総裁選に昨年やっと出馬を果たした野田聖子・男女共同参画担当相(61)だ。「週刊ポスト」の新シリーズ《女性総理、誕生!》から飛び出したスピンアウト企画。第1弾(高市早苗氏)、第2弾(稲田朋美氏)に続き、ノンフィクションライターの常井健一氏が斬り込んだ。【全5回の第1回】

竹下登氏「悪名は無名に勝る」

──今日は週刊誌のインタビューです。

「ですね。ずいぶん私も叩かれてきましたけど」

──(この記事が載る)『週刊ポスト』ですか?

「他の週刊誌なんですけど、記者さんに『野田聖子と小渕優子の名前が出ると売れるんですよ』って言われたことがあります。もう、女性議員は面白おかしく叩かれる対象なので、自分たちの宿命なんだと納得するようにしています」

──そういう感覚って、先輩の誰かに教えてもらえるものなんですか。

「一年生議員の時に、生前の竹下登先生からいただいた言葉がずうっと自分の軸になっているんですけど、一つは『悪名は無名に勝る』。埋没することは永田町では死に等しいということ。もう一つは、『数字で勝負しろ』。女は子宮でモノを考えているというのが世間一般の理解だから、男の人たちにバカにされないように統計をもとに政策で押していけということ。少子化問題も、グラフを見れば一目瞭然なんだけど、みんな何となく気合いだ、気合いだの政治家が多い。私は数字を追いかけながら、法案を組み立ててきました。気合いよりも実務で見せる。だから、かわいげがないの(笑)」

──来年で初当選から30年を迎えますが、悪名をも「宿命」と受け止められるようになったのは、いつ頃からですか?

「子どもを産んだ頃かな。50歳で産みましたから、10年ぐらい前。子育てしていたら、些事に構っていられなくなった。まあ、やむを得ないんですよ。女性は数が少ないから、どうしても目立ってしまう。だから、大臣になれるのも早いということもあるかもしれないけれど、その分、攻撃される。男性の地味な議員だったら話題にならないことでも、女性だと記事に書かれやすい。そこは、もう天秤にかけて、数が少ないから仕方ないというのが帰結ですよね」

──それは、30年間変わってないですか?

「全然変わってないです。いまだに昭和。昭和って相当ディープなんだと思います。昭和の価値観が日本社会の随所にいまだに色濃く残っている。それで、若い男性も苦しんでいると思う」

関連記事

トピックス

佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
若隆景
序盤2敗の若隆景「大関獲り」のハードルはどこまで下がる? 協会に影響力残す琴風氏が「私は31勝で上がった」とコメントする理由 ロンドン公演を控え“唯一の希望”に
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン