国内

【岸田首相の内閣改造・自民役員人事】女性登用の目玉・小渕優子選対委員長を強く推した財務省

内閣改造に様々な目玉を用意したはずだったが…(時事通信フォト)

内閣改造に様々な目玉を用意したはずだったが…(時事通信フォト)

【政治部記者覆面座談会・第2回】「内閣改造をするほど総理の権力は下がる」とは、「人事の佐藤」と呼ばれた佐藤栄作・元首相の言葉だが、今回の内閣改造・自民党役員人事はまさにその通りの結果となった。

 混迷する岸田政権にいったい何が起きているのか。そこで本誌・週刊ポストは官邸詰めや自民党担当の政治部記者4人による緊急覆面座談会を開催し、改造の舞台裏を辿った。参加者はキャップクラスのベテラン記者A氏とB氏、取材の第一線に立つ若手・中堅のC氏とD氏だ。

司会(編集部):女性登用について。女性大臣は5人だが、副大臣、政務官は女性ゼロだった。

記者B:総理はもともと前自民党女性局長の松川るいと首相補佐官(改造で退任)の森まさこを入閣させるつもりだったが、松川はエッフェル塔問題でコケ、森はブライダル補助金騒動で入閣リストから消えた【※注1】。めぼしい候補が誰もいなくなったというのが実情だ。

【※注1/7月に自民党女性局の研修のため議員ら38人でフランスのパリを訪問した際に、松川るい氏らがエッフェル塔の前でポーズをとった写真をSNSに投稿して大炎上した。8月には森まさこ首相補佐官(当時)がX(旧ツイッター)で「ブライダル補助金」の進捗について報告したところネットからは批判的な意見が相次ぐなど、女性議員のSNS投稿をめぐる炎上が相次いだ】

記者C:自民党女性局のパリ旅行組は全員、大臣、副大臣、政務官にもなれずに“落選”しましたからね。

記者D:松川さんは本気で悔しがっていましたよ。外務官僚出身で経歴は申し分ない。エッフェル塔がなければ入閣確実だったから、普段は感情を露わにしない彼女が相当苛立っているのがわかった。さすがに周囲に当たり散らしたりはしていませんでしたけど。

記者C:“漁夫の利”で入閣したのが二階派の自見英子・地方創生相ですね。改造まで現職の内閣府政務官で本来なら次は副大臣のポジションでしたが、総理から大臣枠を1人に減らすと伝えられた二階派幹部が、「それなら1人も出さない」と反発したため、同派の小泉龍司・法相と一緒に入閣した。岸田総理お気に入りの松川や森がコケていなければ、自見は副大臣だったでしょうね。

記者D:官邸では副大臣、政務官にも女性を起用しようと発表前日は遅くまで人選を検討していたが、過去の発言とか金がらみの問題とか、身体検査で見送られた。総理側近は「女性を増やせと言うけれども、経験があってちょうどいい人がいないんだ」とぼやいていました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン