沢村一樹一覧

【沢村一樹】に関するニュースを集めたページです。

中居、ウエンツ…視聴率調査変更で求められるMCの新3条件
中居、ウエンツ…視聴率調査変更で求められるMCの新3条件
 この春のテレビ番組改編で、番組のMC起用に新たな動きが見られる。その背景にあるのは、やはり視聴率。だが、これまでの視聴率への考え方とはちょっと事情が番うようだ。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * 2020年代最初の冬ドラマが次々に最終話を迎え、テレビ番組は春の改編期に突入していきます。 この春は中居正広さんがジャニーズ事務所から独立して新たなスタートを切るほか、ロンドン留学していたウエンツ瑛士さんが帰国して『火曜サプライズ』(日本テレビ系)のMCに復帰。新番組に目を向けると、昨年末の『M-1グランプリ2019』(ABCテレビ、テレビ朝日系)で優勝したミルクボーイが全国ネットのゴールデンタイムで初めてMCに挑む『これって私だけ?』(テレビ朝日系、火曜20時~)がスタートするなど、テレビ番組のMCにさまざまな動きが見られます。 その他の特筆すべき動きとしては、霜降り明星をはじめとする“お笑い第7世代”の若手芸人がMCを務める『第7キングダム』(日本テレビ系、日曜12時45分~)と、『霜降りミキXIT』(TBS系、月曜23時56分~)の2番組がスタート。占い師の木下レオンさんと、ぷりあでぃす玲奈さんが事実上のMCとなる『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系、水曜22時~)がスタート。『陸海空 地球私服するなんて』の破天荒な言動で人気者となった“ナスD”こと友寄隆英ディレクターの冠番組『ナスDの大冒険TV』(テレビ朝日系、水曜26時21分~)がスタート。『秘密のケンミンSHOW』(読売テレビ、日本テレビ系)のMCが、みのもんたさんから田中裕二さんに変更し、『秘密のケンミンSHOW極』にリニューアル。 このようにフィールドやキャリアの異なるタレントがMCに挑むことになった背景にはどのようなものがあるのでしょうか。◆視聴率調査のリニューアルが影響 冒頭に挙げた中居さんは、今春から『中居正広のニュースな会』(テレビ朝日系)が30分拡大するほか、17日に『中居正広の4番勝負』(日本テレビ系)、20日に『中居正広のプロ野球魂』(テレビ朝日系)と特番が立て続けに放送されるなど充実一途。大手芸能事務所を辞めるにも関わらず、出演番組数がまったく減らないなど、国民的MCとしての需要が増している様子がうかがえます。 一方、前述したMC経験の少ないメンバーには、20代の若手から、異色のタレント、スタッフまで、さまざまなキャラクターが混在。これまでのようにアラフォーの中堅芸人が起用されていないことに新たな動きを感じます。 国民的MCと、さまざまなキャラクター。両方が混在した背景にあるのは、個人視聴率をはじめとする視聴率調査のリニューアル。ビデオリサーチ社が行っている視聴率調査が今年3月30日に大きく変わり、各地の調査世帯数が拡大されるほか、個人視聴率が全地区で導入されます。 個人視聴率とは、これまでの「どれくらいの世帯で見たか」を示す世帯視聴率ではなく、「性別や年代別にどれくらいの人が見たか」を示す指標。番組制作のベースとなるデータが細分化されるため、単純に経験値や知名度だけでMCを決めるわけにはいかなくなっていくのです。現在、「今春以降のバラエティで求められるだろう」と言われているMC像は、「幅広い世代からの好感度が高い」「若い世代が反応しやすい」「唯一無二の個性か専門的なスキルを持つ」の3つ。だからこそ国民的MCの中居さんや、持ち前の親しみやすさにイギリス留学で凛々しさを加えたウエンツさん、鮮度と勢いのあるお笑い第7世代は選ばれやすいと言えるでしょう。これまでの世帯視聴率をベースにした番組では、中高年層に人気のMCが選ばれるケースが多かったのですが、今後は個人の中でも「商品購買につながりスポンサー受けがいい」と言われる女性若年層に好かれるMCが増える可能性は高そうです。◆意外な注目株は初レギュラーMCの52歳俳優 また、冒頭のリストにはあげませんでしたが、もう1人気になるのは『これって私だけ?』でミルクボーイとともにMCを務める沢村一樹さん。沢村さんは現在52歳の俳優であり、ゴールデンタイムのバラエティでは初のレギュラーMCとなります。 近年、『99人の壁』(フジテレビ系)の佐藤二朗さん、『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』(日本テレビ系)の佐藤隆太さんなど、中堅俳優のMC進出が目立ちますが、これらの起用も幅広い年代からの好感度が高く、唯一無二の個性があるから。さらに、トップを走る主演俳優ではなく助演の多い俳優だからこそ出演作が多く親近感があり、それでいてMCとしては良い意味でのぎこちなさを含め、フレッシュさを感じさせられる貴重な存在なのです。 そこで再びフィーチャーしたいのは、前述した視聴率調査のリニューアル。これによって全国各地の集計をまとめることが可能になり、「この番組は日本全国で何人が見たか」が数値化されるようになります。そのため中堅人気俳優のような幅広い年代からの好感度や唯一無二の個性を持つ芸能人がMCを務める機会は増えていくのではないでしょうか。録画視聴やネット配信視聴の増加。さらにはテレビではなくパソコンやスマホでの視聴など、個人の視聴形態が分散化する中、MCにかかる期待とプレッシャーはこれまで以上に大きくなっていくでしょう。ただ、求められるものが大きくなるほど努力を重ね、MCとしてのレベルは上がりやすいだけに、視聴率調査のリニューアルはテレビ業界にとってチャンスなのです。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2020.03.21 07:00
NEWSポストセブン
竹内涼真主演で話題の『テセウスの船』(公式HPより)
4週連続記録更新、『恋つづ』『テセウス』快進撃2作の共通点
 冬ドラマが終盤を迎えているが、今クールで高視聴率を記録しているのが『恋はつづくよどこまでも』『テセウスの船』(いずれもTBS系)の2作だ。快進撃を続けるこの2作には、共通点があるという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * 10日に放送された『恋はつづくよどこまでも』第9話の視聴率が自己最高を更新する14.7%を記録。これで第6話10.9%から、第7話11.9%、第8話12.1%、第9話14.7%と4週連続で自己最高を更新し、まさに右肩上がりで次週の最終話を迎えることになりました(ビデオリサーチ、関東地区)。 4週連続で自己最高を更新したのは、『恋はつづくよどこまでも』だけではありません。同じTBSの『テセウスの船』も、第5話11.8%、第6話13.2%、第7話14.0%、第8話15.3%と右肩上がりで終盤を迎えているのです。 大半の連ドラが「最高視聴率は第1話」という尻つぼみの状態に陥る中、なぜTBSの2作は快進撃を続けているのでしょうか。まったく異なるジャンルの作品であるにも関わらず、いくつかの共通点が見られるのです。◆プライム帯初主演の若手俳優を抜てき 1つ目の共通点は、プライム帯(19~23時)初主演の若手俳優を抜てきしたこと。『恋はつづくよどこまでも』は22歳の上白石萌音さん、『テセウスの船』は26歳の竹内涼真さんが主演を務めています。 その他の作品に目を向けると、『絶対零度 未然犯罪潜入捜査』(フジテレビ系)は52歳の沢村一樹さん、『トップナイフ ―天才脳外科医の条件―』(日本テレビ系)は52歳の天海祐希さん、『病室で念仏を唱えないでください』(TBS系)は44歳の伊藤英明さん、『病院の治しかた ~ドクター有原の挑戦~』(テレビ東京系)は41歳の小泉孝太郎さん、『ケイジとケンジ~所轄と地検の24時~』(テレビ朝日系)は40歳の桐谷健太さんと32歳の東出昌大さん、『10の秘密』(カンテレ、フジテレビ系)は38歳の向井理さん、『アライブ がん専門医のカルテ』は35歳の松下奈緒さん、『知らなくていいコト』(日本テレビ系)は31歳の吉高由里子さんが、それぞれ主演を務めています。 いずれも30~50代である上に主演経験の豊富な顔ぶれであり、快進撃の2作が「いかに若手を大抜てきしたのか」がわかるのではないでしょうか。実際、上白石さんと竹内さんの主演は新鮮な印象を与えるとともに、若さあふれるストレートな演技で視聴者の心をつかむなど、快進撃の要因になっています。 さらに、上白石さんを佐藤健さんや香里奈さん、竹内さんを鈴木亮平さんや上野樹里さんなどの「主演経験豊富な先輩俳優が助演として支える」という形も共通していて、若さや勢いだけでなく見ごたえのある作品に昇華させています。◆あふれる愛情を熱っぽく伝える主人公 もともと『恋はつづくよどこまでも』も『テセウスの船』も漫画原作の実写化であり、前者は2016年~2019年、後者は2017年から2019年と、ほぼ同じ時期に連載されていました。 2つ目の共通点は、あふれんばかりの愛情を熱っぽく伝えるピュアな登場人物たち。新型コロナウイルスの感染拡大などの暗いニュースが続いているだけに、愛情たっぷりの登場人物たちに引かれるのは当然なのかもしれません。また、主人公が「大切な人のために体を張る」「どんな困難でも向き合う」、“勇者”である点も似ていますし、どちらも視聴者に「応援せずにはいられない」と思わせるタイプのキャラクターなのです。 最後に挙げておきたい共通点は、ネットと相性のいいストーリー。『恋はつづくよどこまでも』は“デレキュン”と名付けられた甘いシーン、『テセウスの船』は長編ミステリーならではの犯人考察を中心に、今冬では断トツのツイート数を叩き出しています。 視聴率が右肩上がりになるのは、ネット上の評判を見て途中から見はじめる人や、録画か配信で時間差視聴していた人が、リアルタイム視聴するようになったから。ドラマを見ながらSNSに書き込んで盛り上がるだけでなく、ドラマを見る数時間前からSNSに書き込んで盛り上がれる。さらに、ドラマを見終えた直後にSNSに書き込んで盛り上がれるストーリーが、両作の快進撃を支えています。 まもなく迎える最終話の視聴率はどこまで上がり、ネット上の書き込みはどのくらい盛り上がるのでしょうか。どちらの視聴者も最大級のハッピーエンドを望んでいるだけに、それが見られたときの反響が今から楽しみです。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2020.03.12 16:00
NEWSポストセブン
史上最高の医療ドラマは何か
史上最高の医療ドラマはどれか『白い巨塔』『ドクターX』等TOP20
 今、ドラマ界で最も熱いジャンルが「医療モノ」だ。生死をテーマに重厚な人間ドラマが描かれるだけに、古くから視聴者の心を鷲掴みにする傑作が数多く生まれてきた。本誌・週刊ポストは読者1000人に緊急アンケート。「史上最高の医療ドラマ」をランキングした。◆医療ドラマベスト20(順位、タイトル、主演、平均視聴率)1位:『ドクターX~外科医・大門未知子~』(2012年、テレビ朝日系)米倉涼子、19.1%2位:『白い巨塔』(1978年、フジテレビ系)田宮二郎、12.8%3位:『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(2008年、フジテレビ系)山下智久、15.7%4位:『Dr.コトー診療所』(2003年、フジテレビ系)吉岡秀隆、19.0%5位:『医龍』(2006年、フジテレビ系)坂口憲二、14.7%6位:『JIN─仁─』(2009年、TBS系)大沢たかお、19.0%7位:『救命病棟24時』(1999年、フジテレビ系)江口洋介、20.3%8位:『ベン・ケーシー』(1962年、TBS系)ヴィンセント・エドワーズ、50.6%※最高視聴率9位:『ブラックジャック』(1981年、テレビ朝日系)加山雄三10位:『振り返れば奴がいる』(1993年、フジテレビ系)織田裕二、石黒賢、16.8%11位:『ナースのお仕事』(1996年、フジテレビ系)観月ありさ、17.2%12位:『ER緊急救命室』(1996年、NHK)アンソニー・エドワーズ、21.2%(※米国内)13位:『チーム・バチスタの栄光』(2008年、フジテレビ系)伊藤淳史、13.2%14位:『赤ひげ』(1972年、NHK)小林桂樹15位:『コウノドリ』(2015年、TBS系)綾野剛、11.5%16位:『グッド・ドクター』(2018年、フジテレビ系)山崎賢人、11.2%17位:『ブラックペアン』(2018年、TBS系)二宮和也、14.3%18位:『DOCTORS~最強の名医~』(2011年、テレビ朝日系)沢村一樹、14.8%19位:『白い影』(1973年、TBS系)田宮二郎、21.7%20位:『ブラックジャックによろしく』(2003年、TBS系)妻夫木聡、14.2%『アライブ がん専門医のカルテ』(フジテレビ系)や『心の傷を癒すということ』(NHK)など、今クールのテレビドラマは「医療モノ」が6本に上る。なぜこれほど乱立しているのか。テレビドラマに詳しいライターの田幸和歌子氏がいう。「ヒューマニズムにあふれるストーリーが多い医療ドラマには固定ファンが多く、視聴率が取りやすい。一度セットを組めばその中で撮れるので、コストを抑えられて撮影が楽という制作サイドの事情もある」 名作ぞろいの中、読者アンケートで堂々の“歴代1位”に輝いたのは『ドクターX』(2012年・テレビ朝日系)だった。「院長をはじめ“悪玉”たちも個性派揃いで楽しめる。しょっちゅう出てくる米倉涼子の入浴シーンも最高」(65歳自営業)「“絶対失敗しない”から安心して見ていられるし、見終わった時にスカッとする」(61歳会社員) 平均視聴率はシーズン2以降20%を超え、昨年10~12月のシーズン6も20%近くをキープした。「『ドクターX』の高視聴率が近年の医療ドラマブームを牽引している。“難病患者を救う”“病院内における人間関係”という2つの軸がしっかりしているから、視聴者は安心して楽しむことができます」(ドラマ評論家の成馬零一氏)◆元ネタは『白い巨塔』 大学病院内の権力闘争を描いた不朽の名作『白い巨塔』(1978年・フジテレビ系)が2位に輝いた。出世のためには手段を選ばない外科医、財前を演じた故・田宮二郎の怪しい魅力が光るこの1978年版は多くの視聴者に強烈な印象を残した。「醜い人間関係や裏工作の描写に引き込まれた。とりわけ『教授になるためだったら人殺しだってするぞ』という財前のセリフにはゾッとした」(66歳会社役員)「最後、胃がんで亡くなった財前の遺体が病理解剖室に送られるのを、白衣の医師や看護師が廊下にズラリと並んで見送るシーンは、今も忘れられない」(62歳会社員) 撮影終了後、田宮が拳銃自殺したことが大きな衝撃を与え、その後に放送された最終回は31.4%の高視聴率を記録した。『白い』シリーズの第一作である『白い影』(1973年・TBS系)も19位に。こちらは田宮演じる外科医・直江をめぐる華やかな女性関係が見どころ。「看護師役の山本陽子は本当に綺麗だったし、同じ看護師役の中野良子も可愛かったなぁ~」(70歳無職) 2001年には中居正広が直江を演じ、竹内結子を相手役にして『白い影』(TBS系)をリメイク。昨年もテレビ朝日が開局60周年を記念して、5夜連続で岡田准一主演の『白い巨塔』を放送するなど、『白い』シリーズの人気は根強い。 織田裕二主演で話題を呼んだ10位の『振り返れば奴がいる』(1993年・フジテレビ系)にも、『白い巨塔』の影響が認められるという。「脚本の三谷幸喜さんが『元ネタは白い巨塔』と公言しています。はじめはコメディとして描く予定が、脚本段階でシリアス路線に変更してヒット作になりました」(田幸氏) 63歳会社員が当時を振り返る。「織田の演じる腕は立つがあくどい医者の司馬と、正義感の強い石川(石黒賢)の掛け合いが毎回楽しみだった。最終回で司馬が刺されるシーンは、衝撃だった」 人情家の医者を描いたドラマの原点ともいえる『赤ひげ』(1972年・NHK)は14位。同じく江戸時代が舞台のタイムスリップもの『JIN―仁―』(2009年・TBS系)は6位に入った。離島での医療をテーマにした4位の『Dr コトー診療所』(2003年・フジテレビ系)は、さしずめ“現代版赤ひげ”といったところか。◆根底にロマン 9位にランクインした『ブラックジャック』(1981年・テレビ朝日系)は、その後の医療ドラマの流れを作った重要な作品だと成馬氏は分析する。「手塚治虫が原作漫画で生み出した1話完結のストーリーで、一匹狼の天才医師が毎回、患者の難病を解決するというフォーマットは『ドクターX』にも活かされている。5位の『医龍』(2006年・フジテレビ系)も同様です」 脚本を担当したジェームス三木氏が語る。「元々手塚さんの作品は読んでいて興味があったしドラマ化したいとずっと思っていた。『ブラックジャック』は医者の話だけど、根底のところにロマンがあった。医療のリアリティな部分もあれば、ありえないようなフィクションの部分もある。そこが魅力だった」 一方、“救命救急”系の雛型になったのが、12位に食い込んだ海外ドラマ『ER緊急救命室』(1996年・NHK)だ。「『ER』が日本で放送されたことをきっかけに、日本でも医療現場全体を描く作品が作られるようになりました。3位『コード・ブルー』(2008年・フジテレビ系)、7位『救命病棟24時』(1999年・フジテレビ系)もその流れをくんでいます」(成馬氏)『ER』は15シーズンも続いた人気シリーズだ。「最初に見た時は、日本のドラマにはないリアルさと緊迫感溢れるシーンに圧倒された。救命医たちの情熱と葛藤もしっかり描かれていて、人間ドラマとしても楽しめる」(55歳会社員) 同じ海外ドラマでは、『ベン・ケーシー』(1962年・TBS系)も8位にランクインした。同作は、脳神経外科に勤務する若き医師ベン・ケーシーを主人公にした医療ドラマで、日本では最高視聴率50.6%を記録した。「『ベン・ケーシー』を見て医者に憧れて医学部を受けたが結果は散々だった(笑い)」(65歳自営業) 現在放送中の『トップナイフ―天才脳外科医の条件─』(日本テレビ系)、『病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~』(テレビ東京系)など、今クールの作品もこうした流れを受け継いでいるといえそうだ。“歴代最高”に挙げられるような名作が生まれることを期待したい。※週刊ポスト2020年1月31日号
2020.01.23 11:00
週刊ポスト
オバマ大統領とオランド大統領(写真/ロイター/アフロ)
『グランメゾン東京』に緊張感与える玉森裕太というスパイス
 作品の魅力を大きく左右するのが主演の脇を固める役者たちの存在だ。このクール、注目度ナンバーワンの日曜劇場の場合はどうか。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。 * * * 木村拓哉主演のTBS日曜劇場『グランメゾン東京』(午後9時)が、好評を博しています。視聴率も6話までの平均値が12.6%。秋に始まったドラマの中で頭一つ抜け出る勢いを見せている、と言っていいでしょう。 このドラマは、パリで評判をとった天才シェフ・尾花夏樹(木村拓哉)の物語。使ってはいけないナッツオイルが混入し要人客が重篤なアレルギー症状をひき起こしてしまった失態でレストランは閉店。尾花は失意のどん底にいたが、女性シェフ・早見倫子(鈴木京香)と出会いもう一度奮起し、「グランメゾン東京」でリベンジを決意する。 やはり見所は、キムタク演じる尾花夏樹の「求心力」にあるでしょう。パリ時代の仲間だった京野陸太郎(沢村一樹)、相沢瓶人(及川光博)と一人また一人、尾花のもとへ戻ってきて改めて最強のチームを形成。そして三つ星レストランを目指す波乱含みの成長プロセスが描き出されていきます。 今回のキムタクは、ご本人自身にもまた、リベンジの意欲があったのではないでしょうか。SMAP解散の元凶と言われたり、「何をやってもキムタク」と演技についてもさんざん言われてきた。ここで反転攻勢をかけようと集中力を発揮するのは自然なこと。 キムタク節と言われてきた軽いセリフ回しは影を潜め、手と体を使って正面から勝負する職人シェフ・尾花になりきっています。尾花はむしろコミュニケーションが不器用。軽口を封印するどころか直接的な表現が激し過ぎて相手との間に対立や摩擦を生む。しかし同時に、尾花の無骨さ、純粋さ、荒々しさがエネルギーとなって多くの人が引き寄せられていく。やはり、このドラマはキムタクの求心力が源になっていて、その周囲に人々が円陣を組むという構図です。 しかし、私は円陣の外にいるもう一人の存在が気になります。何よりも、尾花のもとに「安易には近づかない」距離を保っている人。そう、かつて尾花の弟子だった若手料理人・平古祥平(玉森裕太)です。 平古は、他とはひと味違うキャラクター。演じている玉森さんの冷静さ、内面に秘めた強さ、静かに観察するような知的距離感、安易に依存しない緊張感といったものが存分に役作りに反映され、この物語にピタリとはまっています。そう、鋭く薫る香料のように、ぴりっとスパイシーな刺激となっています。 しかも尾花のもとに集結しなかっただけでなく、ライバルの丹後(尾上菊之助)のレストラン「gaku」のスーシェフになる、という驚きの展開。そもそも平古は師匠・尾花の能力に心酔し憧れていたはず。いったいなぜ、敢えてライバル店のシェフに就いたのか。 あわせて尾花のパリの店の失態の原因がこの平古にあったことも明かされました。ナッツオイルを使う致命的なミスを招いた張本人が平古だったとは。しかし、それは悪意や意図したものではなく、まさしくミスだったというエピソード。さて、今後このエピソードはどんな伏線として生きてくるのか。尾花のライバルになった意味あいを、どう捉えたらいいのか。平古という人物が物語に謎と緊張感を与え陰翳を落としていて、惹き付けられてしまいます。 ご存じKis-My-Ft2の玉森さんの所属はジャニーズ事務所。後輩としては木村さんの存在があまりにも巨大でビッグネーム過ぎて、一緒に演じるとなると普通なら萎縮しまうはず。玉森さんも重圧に包まれていることでしょう。しかしそれでも、尾花にどこか負けていない平古がいる。別の個性として、しっかりと役が立ち上がっている。尾花の大物語に溶け込んでしまうのではなく、ピリっとしたひと味を効かせている。その意味で役者・玉森さんに可能性を感じます。今後化ける逸材かもしれません。とにもかくにも平古の動向と今後の展開から目が離せません。 
2019.11.30 16:00
NEWSポストセブン
グランメゾン、木村拓哉のスタイリストは“大抜擢”の女性
グランメゾン、木村拓哉のスタイリストは“大抜擢”の女性
 包丁さばきも、スパイスを振る様も、そっと仕上げをする手つきも、さすが木村拓哉(47才)だ。撮影前にはキッチン用品の問屋街である東京・合羽橋で、マイ包丁を購入したという彼は、ドラマで演じている二つ星シェフになりきっている。「調理担当者に任せられるのに、木村さんが自分で調理をしようとすることに、最初は周囲も戸惑っていました。しかし、あまりにクオリティーが高いので、スタッフも本気になり、盛り付けなどに厳しい指示を出すようになっています」(TBS関係者) もちろん、それだけの演技をするための下調べも抜かりない。撮影の合間には“取材”までしているという。「鈴木京香さん(51才)、沢村一樹さん(52才)、及川光博さん(50才)たちと、都内の三つ星レストランへ足を運び、料理や盛り付けだけでなく、スタッフの動きも観察していました」(ドラマ制作スタッフ) ドラマ『グランメゾン東京』(毎週日曜21時~TBS系・以下グラメ)は第4回の放送で視聴率13.3%、番組最高を記録した。現場の士気は撮影を重ねるたびに高まっているという。 そもそも木村は撮影前から気合充分だった。「今回はいつも以上に、作品を作り上げようという意欲を木村さんから感じていました。それは、彼の演じる尾花夏樹の見た目によく表れています」(前出・TBS関係者) 木村が演じる尾花は、過去にパリで3度、二つ星を獲得したことのあるフレンチシェフ。しかし、職人気質が強いあまりに、コミュニケーションに苦労することも。このドラマは、とある事件で仲間も名声もすべてを失った尾花が仲間と共に三つ星レストランを作っていくという物語だ。「スタート時点からいつものキムタクのようにパリッとしているわけにはいきません。初回の衣装打ち合わせでは、尾花のような男にはどんな服装がふさわしいかを監督と話し合いました。その結果、新品はふさわしくないということになり、最初に用意されていた衣装のほとんどがボツになりました。そうしてたどり着いたのが、古着。尾花の衣装には、ブランドのスタッフがプライベートで何年か着た私物が採用されています」(前出・ドラマ制作スタッフ) 徹底した作り込みは、ヘアスタイルにも及んでいる。「前髪にパーマをかけてボリュームを持たせたスタイルで、カッコイイとか悪いとかを超越した、間違いなく“新しいキムタク”でした。かなり時間をかけて生まれたヘアスタイルだそうです」(前出・TBS関係者) ツーブロックでサイドは刈り上げてすっきりさせ、対照的に、前髪は強めのパーマでボリューミーに。スタッフはこの尾花スタイルを“グラメパーマ”と呼んでいるという。「これまで木村さんの担当ヘアメイクといえば、『ビュートリアム』の川畑タケル氏や、『TIECHEL』の青木大輔氏など、現在も多くの芸能人を担当する超人気美容室の“カリスマ”とされるトップスタイリストばかりでした。 ところが、今回このスタイルを生み出したAさんは30代半ばのあまり名が知られていない女性スタイリストです。担当している芸能人も木村さん以外は聞いたことがない。また、名高いヘアメイクのアシスタントとして修業し、独立したという経歴もない。それだけに周りのスタッフからすると、“よく彼女を抜擢したな”と驚きの声があがっています」(別のドラマ制作スタッフ)※女性セブン2019年11月28日号
2019.11.17 07:00
女性セブン
オバマ大統領とオランド大統領(写真/ロイター/アフロ)
「ドラマのテレ朝」盤石、TBS・木村拓哉にSMAPファン涙も
 多くのドラマが2~3話目の放送を終え、いよいよ本格的な展開が始まる今クールのドラマ。平均視聴率20%超えのロケットスタートを切ったのは、米倉涼子(44才)が「失敗しない女医」を演じる『ドクターX』。第6シーズンを迎えても安定感は抜群で、2回目以降も20%近くをキープしている。「局内は歓喜の嵐です。しかも驚くことに、平日午後の再放送も全番組視聴率のベスト30に入りました。この快挙に、『米倉さんは令和の水戸黄門!』との声まで出ています」(テレビ朝日関係者) 一時は『ドクターX』の色がつくのを避けているといわれ、なかなかシーズン6が決まらなかったともいわれていたが、今回の米倉はさらにパワーアップ。「米倉さんは会見で、ドラマ撮影前に『低髄液圧症候群』を患い、無気力になったり、まっすぐ歩けなくなったりする症状に陥っていたことを明かしました。危機を感じた米倉さんはすぐに『ドクターX』を監修する脳外科医に相談して処置を受けたそうです。そのこともあって、米倉さんは医療の大切さを実感。これまで以上に勉強に励んでいて医療用語はもちろん、外科手術の手順も完璧に身につけているそうですよ」(前出・テレビ朝日関係者) 視聴率で2位につけたのは、『相棒season18』。水谷豊(67才)と反町隆史(45才)のコンビ人気は根強く、初回視聴率16.7%、第2話15.4%という安定ぶりで、1年間放送ながら今クールの視聴率4位につけた『科捜研の女』(テレビ朝日系・木曜20時)とともに「ドラマのテレ朝」を確固たるものにした。 視聴率3位ながら、今クールいちばん注目を集めているのは、『グランメゾン東京』(TBS系・日曜21時)。木村拓哉(46才)演じる型破りなフレンチシェフが鈴木京香(51才)や沢村一樹(52才)らが演じるシェフ仲間とともに世界最高のレストランを目指すストーリーだ。SMAPファンが涙するのは料理シーン。「スタッフは出来合いの料理をすすめましたが、木村さんが『おれが作る』と志願し、実際に自ら調理しているんです。その姿が『ビストロSMAP』を思い起こさせるのか、料理シーンに喜ぶファンの反響も大きいですね」(TBS関係者) コラムニストの今井舞さんは、本作を「今期見続けたいドラマ」3位に挙げている。ちなみに1位は『俺の話は長い』(日本テレビ系)、2位は『まだ結婚できない男』(フジテレビ系)だった。「注目したいのは、『グランメゾン東京』が『半沢直樹』や『下町ロケット』を生んだ『日曜劇場』であること。2013年の『半沢直樹』以降の日曜劇場の基本フォーマットは、“中年男性が仲間を1人ずつ集めて巨大な敵に立ち向かう”という勧善懲悪の物語で、言ってみれば『オッサン版ドラクエ』。 本作でもキムタクが『お前なんかと一緒にやれるか!』となじられながらも、鈴木、沢村…と仲間を増やし、大きな敵と相対します。テンポの速いストーリーのなかで主人公が活躍しつつ、ピンチになると仲間がサッと助けに現れて、大団円に向かう。日曜劇場という磐石なフォーマットが「何をやってもキムタク」のエグ味を薄める役割を果たしています」(今井さん)※女性セブン2019年11月21日号
2019.11.08 07:00
女性セブン
オバマ大統領とオランド大統領(写真/ロイター/アフロ)
木村拓哉 日曜夜の包丁さばきはアッパレと言うしかない
 今クール最大の注目作は順調に滑り出した、かのように見える。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。 * * *『グランメゾン東京』(TBS系日曜午後9時)が話題を集めています。キムタク主演、パリの有名レストランを貸し切っての大規模ロケ。贅沢な食材に贅沢な配役、そして主題歌に山下達郎「RECIPE(レシピ)」……制作費は1話1億円ともささやかれています。そう、「鳴り物入り」とはこういう作品のことを言うのでしょう。 肝心の評判は……順風満帆の船出と言ってもいい数字。第1話の視聴率が「二桁に乗った」というニュースに色めきたった人もいるはずですが、続く第2話はさらに数字を伸ばし13.2%(関東地区)。 配役についても、安定感があります。木村拓哉を中心軸に沢村一樹、及川光博らが脇を固め、ライバルには尾上菊之助、手塚とおる。そして何よりも、いぶし銀の味を出しているのが女バディ的役割の鈴木京香。シェフ・早見倫子役を演じる鈴木さんの存在感が素晴らしい。ピッと背筋が伸びていて、凜としていて清々しい。その力がキムタクを輝かせています。 キムタクの相手役として、ありきたりな、例えば若かったり美しいだけがとりえの女優「ではない」と、こうも物語の幅が広がるのか。目からウロコです。 倫子は仕事師としての経験とプライドと夢を持ち、キムタクと同等の立場でフラットに登場。丁々発止のやりとりをしています。簡単には恋愛エピに流れない構成を感じさせる。これなら、レストランの挑戦話にじっくりと集中できる。無理矢理入れた恋愛エピに時間を消費しなくて済む。むしろほっとしている視聴者も多いのではないでしょうか。キムタクの周囲に同世代のおじさんやおばさんを配置する物語作りは、今後ドラマの可能性を拓く予感もします。    仲間とタッグを組み、それぞれ違う持ち味を発揮し、高い壁を乗り越えていく。そんな挑戦物語に新鮮味を感じます。 そして何よりも注目すべき点が、木村拓哉演じるシェフ・尾花夏樹の役作りでしょう。「何をやってもキムタク」の汚名を返上すべく、捨て身の勢い。まず、尾花を演じるに当たって、「どん底の人生を送っている男はどんな服装をしているのか」ということにこだわったのだとか。たしかにレストランをクビになった尾花という男、よれっとした古着に身を包み、栄養不足のようにも見えるやつれたくすみ気味の肌をしています。 あの妙な髪型も気になります。もやもやっとした前髪にサイドは刈り上げ。敢えて伸ばし気味の茶髪、強めにパーマ?をかけ、何だか野暮ったい。「堕ちた人の、やさぐれ度」まで醸し出そう、という狙いなのでしょう。 さらに目を惹くのが尾花のシェフとしての手さばき。そんじょそこらの役者ではできない凄みがある。何が凄いかといえば、「真似ごと」を超えている点でしょう。「今回はシェフ役なので、雰囲気を真似てみました」といった水準を大きく超えている。 手つき、目の動き、姿勢、指の滑らかな操作。考えてみると、これは「日常的に練り上げられた動作」に近い。 つまり毎日のように切る、炒める、混ぜる、といった調理を繰り返していないと、調理人の「型」は体に入らないし、自然には見えないはず。職業人は職業それぞれの「型」を身につけているわけですが、この「調理人の型」に迫ろうというキムタクには、やはり脱帽せざるをえない。この見事な包丁さばきは、いったいどこで……? そうでしょう。『SMAP×SMAP』のビストロSMAPコーナーで、約20年間も料理を作ってきたのです。スマスマでのあの貴重な経験を、今キムタクはいわば独り占めし、おおいに活用しているのです。いや、独り占めという言い方が適当でなければ、「過去の資産を有効活用している」と言えばいいのか、もうアッパレと言うしかありません。 最後に敢えて、一つ残念な点を挙げるとすれば、ライバルの描き方が図式的に過ぎる点です。レストラン「gaku」の丹後シェフ・尾上菊之助とオーナー・手塚とおるの悪役ぶりが、あまりに単純な造形になっています。せっかくキムタクチームは細かな演出・演技、食材からレシピまで徹底的に作り込んでいるのに。ライバルを幼稚化し過ぎてしまったら、元も子もない。 もちろんそのあたりは役者には罪がなくて、演出上の問題でしょう。今後、単純な対決話やサクセスストーリーに陥ることなく、大人が見応えを感じる成熟ドラマに仕上げていくことができるのかどうか。期待し注目したいと思います。
2019.11.03 16:00
NEWSポストセブン
ドラマをきっかけにライフスタイルにも変化(イメージ)
木村拓哉主演ドラマ「視聴率12.4%」発進をどう捉えるか
 10月21日、木村拓哉の主演ドラマ日曜劇場『グランメゾン東京』(TBS系)がスタートし、視聴率12.4%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)だった。当初、21時からの放送予定で、NHKのラグビーW杯準々決勝の日本対南アフリカ戦と時間帯が重なるため、視聴率への影響が懸念されていたものの、TBSの日本シリーズ第2戦が延長したため、21時50分開始に。ちょうど、日本対南アフリカ戦の放送が終わる時刻と同じだったため、ラグビーW杯と被ることなく、オンエアされた。 この初回12.4%発進をどう捉えるべきか。2017年以降、最近3年のTBS日曜劇場枠の初回視聴率と比べると、12本中9番目になる。これだけを挙げれば、低調に思えるかもしれない。ただ、単純に12本の初回の数字を平均化すると、13.0%になる(*ここでは、発表された12本の視聴率を簡易的に計算。小数点第2位以下を四捨五入)。 初回の『グランメゾン東京』のほとんどが22時台に放送されたことを考慮し、今年の民放で22時台開始の連続ドラマの初回視聴率と比較してみよう。すると、27本中4番目の好成績となる。1位は1~3月期の水曜22時台の『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)と金曜22時台の『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)の12.7%だから、0.3%しか変わらない。 周知の通り、1990年代や2000年代と比べ、テレビ全体の視聴率は落ちている。にもかかわらず、木村拓哉は『ロングバケーショーン』(フジテレビ系、1996年)や『ビューティフルライフ』(TBS系、2000年)など過去の主演大ヒット作を持ち出され、期待値も大きいため、12.4%でも「低い」と言われる場合もあるだろう。 だが、最近のドラマで12.4%発進であれば、合格点の数字と言えるのではないだろうか。実際、10月スタートの連続ドラマの初回視聴率では、20.3%の『ドクターX』(テレビ朝日系、木曜21時台)、16.7%の『相棒 season18』(テレビ朝日系、水曜21時台)、12.8%の『シャーロック』(フジテレビ系、月曜21時台)に次ぐ4位である。 日本シリーズの延長でいつドラマが始まるかわからない状況、他局が驚異的な視聴率を記録した直後の時間帯に始まったという悪条件の中で、よく12.4%も獲ったのではないか。 ラグビーW杯の日本戦があったため、ドラマを録画した視聴者も相当数いたと予想されるため、今後発表されるタイムシフト視聴率にも着目すべきだろう。 そもそも、高視聴率ドラマは、脚本や音楽、キャストの組み合わせ、放送局、時間帯など様々な要素が噛み合った時に生まれるもので、主演だけで決まるわけではない。『グランメゾン東京』では鈴木京香や尾上菊之助、及川光博、玉森裕太、沢村一樹などの俳優陣が名を連ねている。しかし、豪華キャストで周りを固めたからといって、必ずしも数字が上がるとは限らない。 木村拓哉がドラマを始めると、他の主演俳優以上に視聴率が騒がれる。その境遇は、誰とも共有できない孤独なものであろう。 尋常ではないプレッシャーを浴びながら、新ドラマに挑戦する姿勢を素直に称える風潮がもう少し出ても良いと思う。■文/岡野誠:ライター・芸能研究家。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)が話題に。人気絶頂期の田原俊彦がバッシングにより苦境に陥り、そこからどう復活したかを描く。〈「アイドルのくせに」という偏見と常に戦い、己を貫いてきた〉〈マーケティング完全無視で誕生した『びんびん』シリーズ〉〈野村宏伸の逆ギレで名コンビ誕生〉などドラマ『教師びんびん物語』(フジテレビ系)がなぜ高視聴率を獲得できたかも多角的に分析。
2019.10.22 07:00
NEWSポストセブン
オバマ大統領とオランド大統領(写真/ロイター/アフロ)
キムタク新ドラマ3つの試練 初回の裏番組にラグビー日本戦も
 今回は今までにない試練かもしれない。木村拓哉が主演するドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)の初回放送の裏番組が、高視聴率が確実視される強力番組ばかりなのだ。しかも、放送開始時間が遅れる可能性も出てきて…。キムタクドラマ、どうなる? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * 20日夜、「今秋最大の話題作」と言われる『グランメゾン東京』(TBS系、21時~22時19分)がいよいよスタートします。 同作は、依然として「視聴率男」と言われ続ける木村拓哉さんが主演を務めるほか、共演に鈴木京香さん、及川光博さん、沢村一樹さんら主演級がズラリ。スタッフにも、『半沢直樹』『ノーサイド・ゲーム』らを手がけた伊與田英徳プロデューサー、『アンナチュラル』『中学聖日記』らを手がけた塚原あゆ子監督らTBSのエースがそろっています。 さらに、パリの三ツ星レストラン「ランブロワジー」で世界初のドラマ撮影を行うなど、ミシュランガイドが全面協力。また、山下達郎さんが2003年の『GOOD LUCK!!』以来16年ぶりに木村拓哉さん主演ドラマの主題歌を担当し、作品の世界観に合う「RECIPE」を書き下ろすなど、時間と予算を割いた力作です。 しかし、1話が放送される20日には、『グランメゾン東京』と木村拓哉さんに3つの試練が待っていました。◆民放各局の包囲網とラグビー日本戦 1つ目の試練は、民放各局の強力な特番。まず日本テレビは、19時58分から21時54分まで、『世界の果てまでイッテQ!秋の2時間SP』を放送。出川女子会、内村光良のカレンダープロジェクト、イモトワールドツアーなどのファミリー層に強い看板企画をそろえました。 次にテレビ朝日は、21時から23時5分まで、通算21作目となる2時間ドラマの人気シリーズ『おかしな刑事』を放送。同作は17年間に渡って平均視聴率2桁を記録するなど、メインターゲットの中高年層をガッチリつかんでいます。 フジテレビも20時から21時54分まで、12回目となる人気シリーズ『世界法廷ミステリー』を放送。直近の放送である今年6月15日も視聴率10.9%を記録するなど、ミステリーフリークを中心に根強い支持を集めています。 いずれも、あるターゲット層にめっぽう強い番組だけに、「木村拓哉さん主演の新作ドラマでも苦戦するだろう」と言われているのです。 2つ目の試練は、19時10分~21時50分にNHKで放送される『ラグビーワールドカップ2019 準々決勝・日本vs南アフリカ』。大会前は、「日本が準々決勝に進めるとしたら、プールAを2位通過だろう」と言われていたものの、はじまってみたら世界ランク2位のアイルランドを破るなど4連勝で1位通過。2位通過なら準々決勝の日本戦放送は19日でしたが、快進撃によって20日となり、『グランメゾン東京』の1話放送と重なったのです。 ちなみに、一週間前の13日に放送された日本vsスコットランドは、39.2%の超高視聴率を記録。準々決勝から「負けたら終わり」で緊張感が増すトーナメント戦に突入するほか、前回大会で「ブライトンの奇跡」と呼ばれた優勝候補・南アフリカとの再戦とあって、同等以上の視聴率が予想されています。 通常、木村拓哉さんほどの大物が出演する新作ドラマは、「とりあえず1話は見てみよう」「1話を見て今後見るかどうかを決めよう」という試し見があるものですが、今回ばかりはリアルタイムで見てもらうのが至難の技なのです。◆主演連ドラ「初の1桁視聴率」の危機 3つ目の試練もスポーツ絡みで、しかもTBSが放送する番組。『グランメゾン東京』が放送される前の18時~21時に、『SMBC日本シリーズ2019第2戦ソフトバンクvs巨人』の野球中継があるのです。 しかも試合開始の18時30分に、今年の平均試合時間である3時間21分(858試合)をあてはめてみると、22時ごろまでの放送延長が有力。もし延長戦に突入したら『グランメゾン東京』は、さらに遅い時間帯の放送となるだけに影響は免れないでしょう。 実際、競技こそ異なりますが、『ワールドカップバレー2019』の中継延長で『シャーロック』(フジテレビ系)2話が9時から9時50分からに繰り下がり、視聴率は1話の12.8%から9.3%に急落。同じく『まだ結婚できない男』(フジテレビ系)の2話も9時から10時5分に繰り下がり、視聴率は1話の11.5%から7.7%に急落してしまいました。 やはり、「いつスタートするか分からない」という状態ではリアルタイム視聴が難しく、「見てもらえたとしても録画で、視聴率には反映されない」のです。 野球中継が延長して『グランメゾン東京』の放送が繰り下がったら、ラグビー中継や『イッテQ!』との競合を避けられる一方、日曜の夜だけに視聴者数は間違いなく減るでしょう。つまり、延長がなかったとしても、延長があったとしても、厳しい状況は変わりないのです。 木村拓哉さんと言えば、平成に放送された連続ドラマの「全話平均視聴率ベスト10」で上位5位までを主演作が独占(時代劇を除くゴールデン・プライムタイム、関東地区、ビデオリサーチのデータをもとにTBSが集計)したカリスマ。 令和に変わって1作目となる『グランメゾン東京』は、木村拓哉さんサイドにとって絶対に成功させたい作品。だからこそ、今まで一度もなかった「1桁視聴率」という危機にどう立ち向かうのか。もし3つの試練を跳ね返すことができたら、木村拓哉さんは令和も連続ドラマの主役として君臨し続けるでしょう。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2019.10.17 16:00
NEWSポストセブン
新ドラマは好調な発進
木村拓哉の新ドラマ、仏レストランの撮影許可得られた奇跡
10月スタートのドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)で主演の木村拓哉(46才)が挑むのは、自身の慢心からすべてを失いながらも、世界最高の三つ星レストランを目指して立ち上がるシェフ。 Kis-My-Ft2の玉森裕太(29才)との共演も話題だが、さらに大きな注目を集めているのが、クランクイン場所だ。 世界最高峰のレストランが軒を連ねるフランス・パリの中でも、ミシュランの三つ星評価を受けているのは9店のみだが、撮影場所となった「ランブロワジー」は30年以上にわたって三つ星を獲得し続けている、世界でも希有なレストランなのだという。「同店でドラマ撮影が許されたのは、今回が世界で初めてのことです」(ドラマ制作スタッフ) ランブロワジーは「世界一予約が取りにくい」レストランとしても有名だ。「あまりに予約が取りにくいことから、“格式の高いホテルからでないと予約ができない”とか“流暢なフランス語でないと門前払いされる”といった噂が流れるほどです。過去にはとある日本の著名人がフランス大使館を通じて予約を取ろうとしたところ、“1か月前では無理”と断られたそうです。仮に予約が取れたとしても、かなりの常連にならないといい席には座れないとも聞いています。ちなみに料金は1人3万~4万円ほどです」(フランス在住のジャーナリスト) それほど格式の高い店だけに、撮影許可を得るのは“奇跡”に近いことだった。「もちろん最初は断られました。しかし、“ドラマが目指すもの”を切々と伝えるスタッフの料理に対する熱意が、ランブロワジーのシェフの心を動かした。それほどこのドラマは料理の描写に力を入れている。木村さんも、そんなスタッフの情熱に応えてくれています。ランブロワジーの花形である肉部門のシェフを務める日本人男性に、料理の手ほどきを受け、熱心に耳を傾けながら、撮影に臨んでいました」(テレビ局関係者) 当然、フランス語のシーンも多いが、そこには力強い助っ人がいたという。「娘のKoki,さんは幼少期からインターナショナルスクールに通っていて、英語だけでなくフランス語も堪能。木村さんは出発前にKoki,さんのレッスンを受けていたそうです。また、月に1度パリを訪れているKoki,さんが木村さんを案内したという話があり、木村さんはプライベートの時間も楽しむことができたといいます」(前出・テレビ局関係者) ロケの合間には、こんな楽しみも。「共演する鈴木京香さん(51才)や沢村一樹さん(52才)たちと『ランブロワジー』で食事を楽しむことができたようです。特に鈴木さんは“ずっと来てみたかったお店”とあって、大興奮でしたね」(前出・テレビ局関係者) 超高級三つ星レストランならではの雰囲気も、ドラマの大きな見所になりそうだ。※女性セブン2019年9月19日号
2019.09.08 16:00
女性セブン
昨年、話題をさらった『おっさんずラブ』
『おっさんずラブ』放送から1年 今春、驚きの出世ラッシュ
 今春、LGBTをテーマにしたさまざまなドラマが放送されているが、その先駆けとなったのが昨年、放送された『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)だ。その出演者たちの異例の“出世”ぶりについて、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * 昨年、Twitterで世界トレンド1位となったほか、放送終了後もネット上をさわがせ続け、「新語・流行語大賞」のトップテンに選出。さらに、『コンフィデンスアワード・ドラマ賞年間大賞2018』作品賞、『東京ドラマアウォード2018』連続ドラマ部門グランプリを受賞するなど、最大の話題作となった『おっさんずラブ』。 その勢いと影響力は、一年過ぎた今春になって思わぬところに表れています。 主人公の春田創一を演じた田中圭さんは、『あなたの番です』(日本テレビ系)でプライム帯の民放連ドラ初主演を務め、しかも2クールに渡る長期放送。春田の幼なじみで思いを寄せる荒井ちずを演じた内田理央さんは、『向かいのバズる家族』(読売テレビ、日本テレビ系)で主演。春田の後輩社員・栗林歌麻呂を演じた金子大地さんは、『腐女子、うっかりゲイに告る。』(NHK)で連ドラ初主演。『おっさんずラブ』の1年後に3人が連ドラの主演を務めていることに驚かされます。 さらに、春田の上司で主任の武川政宗を演じた眞島秀和さんは、『スパイラル~町工場の奇跡~』で主人公の行く手を阻む最大の敵役として出演。単発ドラマでも、「事実上のヒロイン」こと黒澤武蔵を演じた吉田鋼太郎さんは19日放送のドラマスペシャル『死命~刑事のタイムリミット~』(テレビ朝日系)で主演を務めます。◆林遣都は大河ドラマと朝ドラに出演へ 田中さんと吉田さんは、これまでもバイプレーヤーとして多くの作品に出演していましたが、1年が過ぎて主演となり、深夜から早い放送時間帯になっています。また、内田さんと金子さんの若手2人は、「大きなステップアップを果たしたと言っていいでしょう。 しかも、田中さんは独身の営業マンから新婚のジムトレーナー、内田さんは広告代理店のOLからカフェの店長、金子さんはイマドキの新人営業マンからゲイの高校生、眞島さんはクールな営業主任から信用金庫の支店長代理、吉田さんは頼りがいのある営業部長から連続殺人犯を追う刑事と、『おっさんずラブ』から大きく異なる役を演じることで、俳優としての幅を見せています。 これ以外でも、春田の後輩社員で最後に結ばれる牧凌太を演じた林遣都さんは、大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK)第2部と、今秋スタートの朝ドラ『スカーレット』(NHK)への出演が決定済。どちらも今年の下半期を盛り上げることになりそうです。 放送から1年を経て、主要キャストのほとんどが連ドラの勝ち組となっていることがわかるのではないでしょうか。『おっさんずラブ』が平均視聴率4.0%の深夜ドラマだったことを踏まえると、やはり異例のヒット作であり、出演俳優にとってのターニングポイントになっているのです。◆8月公開の映画版は“五角関係”に進化 上記のように俳優たちがスケールアップして臨むことになる『劇場版 おっさんずラブ~LOVE or DEAD~』(東宝、8月23日公開予定)は、さらなるフィーバー必至。 連ドラのレギュラーキャストに加えて、沢村一樹さんと志尊淳さんが“新たなおっさん”として出演するようです。連ドラでは、春田を黒沢部長と牧が奪い合う三角関係でしたが、ここに新プロジェクトチームのリーダー・狸穴迅(沢村一樹)と新人・山田正義(志尊淳)が絡む“五角関係”になるのでしょう。 演出・瑠東東一郎さん、脚本・徳尾浩司さんなど、スタッフの顔ぶれも変わっていないだけにクオリティの心配は無用。早くも「リピーター続出で、2019年の興行収入ランキング1位は間違いない」という声があがっているほどです。 映画公開時は、田中さんの主演ドラマ『あなたの番です』がクライマックスに向けて怒涛の展開を見せるころだけに、日本テレビとテレビ朝日という局の壁を超えて相乗効果で盛り上がるのではないでしょうか。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2019.05.18 07:00
NEWSポストセブン
23歳で挑む朝ドラ主役
占い師役で主演の杉咲花、スイッチの入り方が凄まじい
 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回はドラマ『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)に主演する杉咲花について。 * * * 1月期のドラマがほぼ出揃い、初回視聴率の高低が取り沙汰されている。 17日にスタートした杉咲花主演の『ハケン占い師アタル』の初回視聴率は、12.1%(ビデオリサーチ・関東地区)。 この数字は、民放連ドラの中で、沢村一樹主演の『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)、北川景子主演の『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系)、高畑充希主演の『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)、そして関ジャニ∞の錦戸亮主演の『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)に次ぐ数字で、「好発進」と言える(『家売る〜』と『メゾン〜』は同率)。 だが、テレビ朝日の木曜ドラマ(木曜夜9時)といえば、2010年代、米倉涼子主演の『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズや、同じくシリーズ化、スペシャル化されている天海祐希主演の『緊急取調室』。木村拓哉主演の『BG~身辺警護人~』、そして前クールは、米倉主演の『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』がオンエアされていた超高視聴率枠。 初回というのは総じて“ご祝儀相場”だし、第二話で数字をガクンと落として“話題”になってしまっている他局ドラマもあることから、“第二話押し”に宣伝部がさまざま仕掛けてくることだろう。◇「寓話性の中に働く人のリアルを込めた」作品 たとえば、番組スタッフが書き手となる「朝日新聞」のラテ欄の連載「撮影5分前」は、絶妙のタイミングで『ハケン占い師アタル』のプロデューサー、山田兼司氏の順番になった。「派遣社員のアタル(杉咲花)が、一緒に働く人の悩みを占いで解決する。(中略)刑事モノや医療モノであれば解決する対象も事件や病気で分かりやすい。本作のテーマである『働くことの悩み』は切実だが、わかりやすい解決策がない」と山田氏は記す。そして「だからこそドラマで描くにふさわしいと脚本・遊川和彦さんと挑戦した」と説明している。 遊川和彦氏の脚本といえば、社会現象にもなった天海祐希主演の『女王の教室』や松嶋菜々子主演の『家政婦のミタ』(共に日本テレビ系)を思い浮かべる方が多いことだろう。“遊川作品”のファンは「必ず何かやってくれるに違いない」という期待感に溢れていると思う。近年のドラマには本当に稀有な存在である“オリジナル作品”であるうえ、今回、遊川氏は演出にも名前を連ねているというのだから力の入れようがわかろうというものだ。 イベント会社の“制作Dチーム”を舞台に、そこに派遣社員としてやってきたアタル(杉咲)との出会いにより、チームの一員が大きな一歩を踏み出し、自ら変わっていくのが『ハケン占い師アタル』。  件の山田プロデューサーは「寓話性の中に働く人のリアルを込めた」とも記していたが、その通り。チームメンバーの日常や、それぞれが抱える悩みのリアリティーがハンパない。  主演の杉咲の若さや、共演の志田未来や間宮祥太郎、志尊淳ら若手俳優がメインキャストなので、「私が見るドラマではない」と食わず嫌いならぬ“見ず嫌い”をしている大人がいると推測できるが、それはかなり勿体ない。 しかも、アイドル誌などでは同作を「お仕事コメディー」と位置付けていたりもする。10代の読者に向けての表現なのかもしれないが、大きな違和感をおぼえざるをえない。『ハケン占い師アタル』は、決して“子供だまし”ではなく、件の高視聴率“木曜ドラマ”と同じく、大人のドラマ。エールを受けるであろうすべての“働く人”はもちろん、杉咲の可愛さ全開のシーンも多く、『花のち晴れ~花男Next Season~』(TBS系)で彼女のファンになった若者の心にも刺さると私には思える。◇大小さまざまなスイッチを各所でオン、オフ 件のアイドル誌だが、もちろん正しいフレーズも記されていた。それは「占いスイッチが入ったときのギャップに注目!」という一文である。「杉咲花」「スイッチ」といえば記憶に新しいのが昨年大晦日にオンエアされた『絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター』(日本テレビ系)でのワンシーン。26日公開の映画『十二人の死にたい子どもたち』のPRを兼ねての出演だったが、ロバート秋山と共に女子高の制服を着てバスに乗り込んできた杉咲を「スイッチの入れ方が凄い」「凄いスイッチがカチッと入るなぁ」と称賛していたのが「全員OUT」となった“ガキ使メンバー”たちだった。『尼崎歌劇団』の面接を控え、秋之山白菊(ロバート秋山)に倣い、練習に励む杉咲。「ハイッ」と大きな声で返事をするだけでも確かにスイッチの入り方が凄かったのだが、圧巻だったのは、アカデミー賞を受賞したハリウッド女優のスピーチを英語と大阪弁を交えてやる、ゆりやんレトリィバァのネタの完コピ。そして「家に帰ってきたら、いきなり死体があった」ときのリアクションだった。 まぁ、そこまで大きくはないのだけれど、『ハケン占い師アタル』でも、大小さまざまなスイッチを各所でオン、オフする杉咲の演技が光り輝いている。『女王の教室』の阿久津真矢(天海)や『家政婦のミタ』の三田灯(松嶋)がそうだったように、特殊な能力をもつ『ハケン占い師アタル』の的場中(杉咲)自身にどのような過去があり、どんなトラウマになっているのか。そしてそれが、もっとも近くにいる人々に、どう理解され、心から迎え入れられるのか。週替わりでスポットが当たるキャストの変化と共に楽しみでしかたがない。 他の枠を含め、新たなチャレンジが高い確率でクリーンヒットしているテレビ朝日のドラマ班。杉咲花×遊川和彦のみならず、杉咲花×遊川和彦×テレビ朝日のさらなる化学反応に期待している。
2019.01.22 07:00
NEWSポストセブン
2019年の新ドラマはおっさんブーム! 中年俳優が引っ張りだこ
2019年の新ドラマはおっさんブーム! 中年俳優が引っ張りだこ
 2019年はいったいどんなドラマが流行するのか――注目のキーワードは「おっさん」だという。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。 * * *  2019年、どんな1年になるか、さまざまな予想がなされているが、1月スタートの新ドラマを見てびっくり。空前のおっさんブームが来ているではありませんか!!  たとえば高畑充希主演の『メゾン・ド・ポリス』(TBS系)は、新米女性刑事牧野ひより(高畑)が、シェアハウスに暮らす退職した元刑事のおっさんたち(近藤正臣、小日向文世、野口五郎、角野卓造、西島秀俊)に助けられ、事件に立ち向かうというストーリー。キャッチフレーズは「わたしの相棒は、ワザあり、クセあり、持病あり」である。  現役おっさん刑事が頑張るのが、『記憶捜査~新宿東署事件ファイル』(テレビ東京系)の北大路欣也と『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)の沢村一樹。北大路はある事件がきっかけで車いす生活だが、抜群の記憶力で事件を推理し、若手刑事(風間俊介)らを動かしていく。一方、『刑事ゼロ』の沢村は、なんと記憶喪失のおっさん。記憶力抜群VS記憶喪失。正反対だが、北大路の共演には宅麻伸、勝野洋、沢村の共演には武田鉄矢、寺島進、渡辺いっけいと、どちらのドラマもおっさん濃度が高いのは共通している。 さらに『バイプレイャーズ~もしも名脇役5人がテレ東朝ドラで無人島生活したら』(テレビ東京系)などでもいい味を出していた光石研が主演する『デザイナー 渋井直人の休日』(テレビ東京系)がスタート。常に何かが始まる予感がしているおっさんを描くという。いったい何が始まるんでしょうか? ここにも岩松了、杉本哲太など気になるおっさんキャストが。 そして、この冬、大車輪の活躍を見せるおっさんが、遠藤憲一だ。2018年も『ドロ刑-警視庁捜査三課』など多数のドラマに出演、ゲストで出た『嵐にしやがれ』などでは客席の女の子たちからキャーキャー言われる。おっさんスターの代表格だが、新年は『私のおじさん―WATAOJI』(テレビ朝日系)では、無理無体な仕事を振られ涙目の新人AD女子(岡田結実)の前に突然現れた、毒舌おっさん妖精(!)。 かと思えば、『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京系)では、役者を引退してさすらいの温泉仲居男となり、各地の名湯で湯けむり美女と出会う。なんでもできちゃうんですね…。  こうしたおっさんドラマブームの背景には、『バイプレイヤーズ』や『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)の成功がある。特に『おっさんずラブ』は、美男美女が織りなす若い世代向けのラブコメに手詰まり感が出てきた中で、突如出てきたおっさんの純愛物語。新鮮かつ感動的だった。 ベテランたちは、キャリアもあり、シリアスからコメディまで演技の幅は広い。こわもての印象がガラリとお茶目に変わる意外性もあって、キャラクターも奥深い。おっさん俳優に任せておけば大丈夫!  そんな空気も感じる新年だが、ひとつ心配なのは、あまりにおっさん俳優が出過ぎではないかということ。水面下でキャストの奪い合いがあったのではと思うほどだ。おっさんは一日して成らず。新たなおっさんキャラはすぐには出てこない。「同じような顔ぶれ」と思われない配慮は必定だ。NHK大河ドラマ『いだてん』もかなりおっさん率高し。おっさんドラマブームはどこまで続く? 2019年ドラマの注目点のひとつになるのかも。
2019.01.01 16:00
NEWSポストセブン
月9『SUITS』、2桁視聴率獲得も「満足度は最低」だった理由
月9『SUITS』、2桁視聴率獲得も「満足度は最低」だった理由
  不振が続いていたフジテレビの看板枠“月9”が息を吹き返した。昨年10月期の篠原涼子主演『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?〜』から3期連続で平均視聴率一桁だったのだが、今年7月期の沢村一樹主演『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜』と先日最終回を迎えた織田裕二主演の『SUITS/スーツ』の平均がそれぞれ10.6%、10.8%と2クール連続で二桁視聴率を獲得した。振り返ると“月9”での2クール連続二桁視聴率獲得は、2015年10月期の石原さとみ主演『5→9〜私に恋したお坊さん〜』以来3年ぶりで、ようやく不調だった流れを食い止めた形だ。だが、視聴者の“満足度”という点で見ると少し様子が変わってくる。◇『SUITS/スーツ』満足度はクールワースト…その要因 テレビの視聴状況を独自に調査している「テレビ視聴しつ」によると、『SUITS/スーツ』の満足度(10月、11月の2か月平均)は、10月スタートのゴールデン&プライム帯ドラマ15作品中ワーストの3.62(最高評価は5.0)。しかも回を追うごとにファン視聴者は増える傾向にあるため満足度は上がっていく作品が多い中、10月から11月にかけて3.65から3.59と数値を落としており、好調だった視聴率とは違った結果となった。(※10月から11月で満足度を下げたのは、『相棒』『リーガルV』『科捜研の女』と合わせて4作品のみ) その満足度を下げた要因の1つが“10代の評価”だ。視聴層別に満足度を見ると10代からの評価は3.81とワーストで、同位でワースト2位だった『獣になれない私たち』と『中学聖日記』の3.99と比べてもその差は大きい。10代トップだった『今日から俺は‼』の4.57(10代の90%が満足度4以上)という高数値からもわかるように10代は評価を高くつける傾向にある。そのため『SUITS/スーツ』に対する10代の評価はかなり厳しかったと言っていいだろう。 ではどのような厳しい評価があったのだろうか。10代視聴者の感想を見ると、「真面目な話だったので見るのが面倒」(16歳女性)「内容があまり入ってきにくい」(19歳女性)「テンポが悪い」(19歳女性)「かっこつけすぎ」(18歳男性)」 など、内容の難しさや演出への指摘が多かった。このドラマの特徴は、原作のアメリカ版を踏襲したスタイリッシュな映像と大人たちのウィットに富んだ会話劇で、その中で通常のドラマであれば2話~3話かけて解決するような複雑な案件も大げさに煽らずスマートに解決していくという日本のドラマにはなかったテイスト。だがそのことが10代の視聴者にとっては難解さやテンポの悪さにつながり、嫌みに感じてしまったようだ。 またこんな意見もあった。「若い世代としては、昔流行ったドラマのコンビだろうと知らないわけだから面白くない。月9がどんどん変に視聴率をとりにいっていて、すごく残念」(18歳女性) 織田裕二と鈴木保奈美の共演が『東京ラブストーリー』以来という大々的な触れ込みは、それらを見ていた世代には刺さるPRで視聴率に貢献した部分もあっただろう。だが、それを知らない世代にとっては世代間の隔たりを感じてしまい素直に楽しめなかった視聴者もいたようだ。◇10代でも“月9”というブランドイメージ?“月9がどんどん変に視聴率をとりにいっていて残念”という意見は、裏を返せば往年の作品を知らない世代であっても“月9”に対するイメージを強く持っており、月9にはこうであってほしいという願望があるということだろう。そのイメージや願望とは、視聴率がとれなくなった以降も恋愛ドラマを主流にしてきたことや、恋愛ものでなくても若い視聴者の感性を刺激する作品を制作しつづけてきたからこそ築けた他のドラマにはない“特別感”だろう。 前作の『絶対零度』や『SUITS/スーツ』は確かに視聴率では回復したが、その“特別感”はあまり感じなかった。それは恋愛ものではなく最近の流行で視聴率を獲得しやすい刑事や弁護士を主人公にした“事件解決もの”だったことによるものも大きいが、同じく月9で“事件解決もの”だった木村拓哉主演『HERO』や大野智主演『鍵のかかった部屋』などの作品と比べると、“個性豊かなキャラクターに囲まれる木村拓哉”というキャスティングの意外性や、EDM系の音楽をド派手にかけるなどの演出面の工夫といった、若い視聴者の感性を刺激するエッセンスが少なかったからだ。 先に述べたように織田裕二×鈴木保奈美というキャスティングは過去を知っているからこそであり、演出面においても海外ドラマをそのまま踏襲するだけではない日本ならではのオリジナリティがあれば若い視聴者はもちろん、視聴者全体の満足感を高めることができたのではないだろうか。 次の月9は錦戸亮主演の『トレース~科捜研の男~』とまたしても“事件解決もの”。だが制作陣は先の『鍵のかかった部屋』のチームだ。視聴率を獲得しやすい“事件解決もの”を軸としながらも、若者の感性を刺激する演出がふんだんに盛り込まれた良い意味で月9らしい作品になっていることを期待したい。【大石庸平・おおいしようへい】株式会社eight社が行っているテレビの視聴状況を独自に調査する「テレビ視聴しつ」室長。 “視聴率”や“視聴満足度”をもとに日々テレビ番組を研究している。放送局への番組レポート提供の他、データを使った番組評記事もウェブにて展開中。仕事とは関係なくテレビが大好きで、特にドラマに詳しいドラママニア。内容はもちろん脚本・監督・音楽などスタッフ情報に精通している。
2018.12.23 07:00
NEWSポストセブン
ドラマで編集長役、伊勢谷友介に「イケメンを持て余す男」評
ドラマで編集長役、伊勢谷友介に「イケメンを持て余す男」評
 いよいよ佳境に突入している今クールのドラマ。話題を呼ぶ作品のなかで、その演技で、異彩を放っているのが、『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)に出演している伊勢谷友介(42才)だ。個性的な編集長を演じている伊勢谷の俳優としての方向性についてコラムニストのペリー荻野さんが考察する。 * * * ドラマ『サバイバル・ウェディング』を見ていて感じるのは、伊勢谷友介は「イケメンを持て余している」ということだ。 このドラマで伊勢谷が演じているのは、人気ファッション雑誌の名物編集長宇佐美。彼は常に企画の隅々にまで目を光らせ、売り上げをV字復活させた実績は高く評価され、編集部員からも「ボス」と信頼されている。 その宇佐美は、恋人に逃げられ寿退社できなくなったヒロインさやか(波瑠)に「半年以内に結婚できなかったらクビ」という条件で婚活コラム執筆を命じる。短期間で結婚など無理と涙目のさやかに、宇佐美は「女としての価値なんて売り方次第でいくらでも上がる」「オレの言う通りやればカンタンだ」などと言いたい放題。オレ様恋愛指南を続けるのである。 毒舌男に振り回されるヒロインのラブコメでは、深田恭子×ディーン・フジオカのドラマ『ダメな私に恋してください』や小松菜奈×中島健人の映画『黒崎くんの言いなりになんてならない』など人気作が多いが、『サバイバル・ウェディング』の伊勢谷の存在感は、かなり独特。 おかっぱ頭に丸い色眼鏡。常にパリパリにキメた派手なスーツが定番で、スポーツジムで走るときだって、紺地に赤いハイブランドモノグラムがプリントされたジャージ上下姿で目立ちまくる。しかし、パーティーでグラス一杯飲んでひっくり返るほど酒に弱く、スポーツカーを乗り回す…かと思ったら、運転はど下手。あちこちで変なオーラを醸し出す。  伊勢谷はドラマ『監獄のお姫さま』でも、監獄で一致団結した女たち(小泉今日子や森下愛子ら)に悪事を暴き立てられるやり手社長板橋吾郎役で変なオーラを出していた。『サバイバル・ウェディング』ホームページで本人は、やなヤツ路線で頑張っていきたいと語っているが、今や変なオーラ路線をまい進中と言った感じだ。その理由は、やっぱり伊勢谷友介自身が「イケメンを持て余している」からだと思う。 俳優・伊勢谷友介の実績を見てみると、ドラマでは『白洲次郎』で白洲本人、大河ドラマ『龍馬伝』では高杉晋作、『花燃ゆ』では吉田松陰、映画『利休にたずねよ』では織田信長を演じてきた。実在のモテ男、おしゃれ男をこれほど網羅している俳優はめったにいない。実業家でもあり、社会活動にも熱心だと聞けば、もうイケメンは続くよ、どこまでもということになる。これで普通の二枚目役をやったら、公私混同だ。日本語間違ってるけど。  そこで打ち出された変なオーラ俳優路線。イケメン持て余し系の大先輩、草刈正雄や阿部寛が「演技派」「個性派」、沢村一樹が「セクスィー派」へと変貌したことを思うと、伊勢谷の「ちょっとアート入ってます」という雰囲気は、彼らしく新しい。 宇佐美のおかっぱ頭を見て、画家の藤田嗣治を思い出した人も多いと思う。折しも東京では『没後50年 藤田嗣治展』が人気を集めている。おかっぱ頭ひとつにアートとイマドキ感を漂わせ、それが似合う男。独特の度合いでいけば、伊勢谷は宇佐美以上といえる。 
2018.09.12 07:00
NEWSポストセブン

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