ライフ

自由求めた団塊の「孤舟族」は過酷に暇で妻にも捨てられる

 新語アナリストの亀井肇氏が、これから世の中に浸透しそうな言葉を先取り紹介。「孤舟族」という言葉を同氏は紹介しているが、これについて解説する。
************************

【定義】小説家・渡辺淳一の最新作『孤舟』の主人公と同じような孤独な状況に陥っている定年退職後の身の置きどころの無い男性たち。

【居場所なし】主人公の威一郎は大手広告会社の役員だったが、定年前に示された出向先に不満があり辞表を出してしまう。定年後は「俺だけの時間」を楽しもうと思っていたが、趣味もなく、奥さんには毎日家にいることで煙たがられ、地域活動しようと思っても役員だった時の日ごろの横柄な物言いが原因で周りの人間から嫌がられてしまう。

【主人在宅ストレス症候群】奥さんにとっては、これまで亭主は会社に出かけていて、自分の時間を持つことができた。しかし、亭主が会社を辞めて1日中家に居られてひとつひとつ文句をつけられると、ストレスが高じることになる。鬱状態が続き、医者からは「主人在宅ストレス症候群」と告げられ、娘と一緒に家を出ていくことになる。

【過酷なひま】会社中心の生活しか過ごしていない者にとって、そこから離れてしまうと一体自分はどのように暮らせば良いのかわからなくなってしまう。渡辺はこうした状態を「独居房に押し込められているかのような『過酷なひま』」と表現している。

【孤舟】まさに国語辞書に定義されている「孤舟」─「水上にただ1そうだけ浮かんでいる舟」そのものである。どこを見渡しても仲間はいなく寂しい存在なのだ。

【蛇足】「団塊の世代」にとっては切実な問題。

※SAPIO2010年12月15日号

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された愛子さま(2025年5月8日、撮影/JMPA)
《初の万博ご視察》愛子さま、親しみやすさとフォーマルをミックスしたホワイトコーデ
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン