二刀流かDHか、先発かリリーフか?
来年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)出場を明言した大谷翔平(31)。前回大会のような“二刀流”での大活躍に期待が高まるが、シーズン開幕前のフル稼働は負担が大きいと懸念する声もある。WBCとワールドシリーズ(WS)、2つの世界一に近づける「最高の起用法」とは──。
WBC参加表明後の会見では、大谷自身、出場パターンについて「(投げる/投げない、いずれの場合でも)何通りかプランを持っておくべきだと思う」と語っていた。
その背景にあるのが、“2023年の教訓”だろう。
前回2023年大会で大谷は打者として7試合すべてに出場し、23打数10安打、打率.435。投手としては中国戦とイタリア戦の2試合に先発し2勝。さらに米国との決勝では9回に抑えで出場して胴上げ投手となり大会MVPに輝いたが、その代償もあった。
シーズン開幕後も二刀流での出場を続け、序盤は投手として絶好調だったが、前年に比べて制球は不安定だった。夏場以降は疲労の蓄積が見え始め、8月に右肘靱帯の損傷が発覚。以降は投手としての出場を断念するほかなかった。
メジャーリーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏が言う。
「同年は8月までの活躍でリーグMVPを獲得したとはいえ、投手として9月以降出場できなかった経験は本人にとっても悔しかったはず。次のWBCではその反省を活かしたいところでしょう」
来季はWBC、リーグ、WSと夢の“トリプルMVP”獲得に期待がかかる大谷。どうすれば実現できるのか。
WBCでの起用法の鍵となるのがドジャースの意向だ。ロバーツ監督もスポーツ紙の取材に「翔平は右肘の手術から戻ったばかり。(WBCで投げれば)大きな負担になる」と答えている。
2023年当時に在籍したエンゼルスと違い、ドジャースはポストシーズン出場が宿命づけられた常勝軍団。来季、球団史上初の3連覇を目指すドジャースは、「10月」に向けてチームを仕上げていく。投手・大谷はそこに欠かせないピースだ。
「開幕直後から投手としてフル稼働をすると、過去の実績からして8月頃にピークが来てしまうと予想できる。ポストシーズンが始まる10月にピークを持ってくるには、6月末頃から本格的に投げ始めるのが理想でしょう。調整段階の時期のWBCでフル稼働してしまうとペース配分が難しくなり、10月まで戦い抜くには6月頃に投手としての稼働を落とす必要が出てくる。
ドジャースの立場で考えるなら、WBCでは日本ラウンドに出場せず、米マイアミでの『決勝ラウンドのみDHで出場』という安全策も選択肢になり得ます」(友成氏)
ド軍打線の主力が“ベテラン揃い”という事情も影響するという。
「今年の後半はベッツらの本塁打が激減するなどチーム打力が落ち、得点力はリーグ平均以下だった。開幕後はまず、打者・大谷がチームを牽引することがポストシーズン出場に向けて不可欠という事情もあります」(同前)
それが、大谷が唯一、手にしたことのないWSのMVP獲得を目指す近道とする見方だ。
