世代交代へ(芝田山親方)
日本相撲協会で2年に一度行なわれる理事選挙。来年1月の初場所後に実施されるが、九州場所は各一門が集まって恒例の理事候補の調整が進められた。相撲担当記者が言う。
「八角理事長(元横綱・北勝海、62)を輩出している高砂一門では、理事候補に現職の八角親方を擁立することを決めた。協会は65歳定年で、理事は1期2年のため63歳以上は理事に立候補できないため、最後の1期の理事長を目指すことになる。
時津風一門は理事候補に現職の伊勢ノ海親方(元前頭・北勝鬨、59)を擁立する一方、もうひとりの現職である63歳の勝ノ浦親方(元前頭・起利錦)が退任となるため追手風親方(元前頭・大翔山、59歳)を送り出すことにした。元横綱・白鵬の宮城野親方が退職した伊勢ヶ濱一門は揉めごともなく現職の浅香山親方(元大関・魁皇、53)を擁立。この3つの一門は予想通りだった」
今回の理事選で注目されたのは、八角理事長よりも1歳年上で立候補できない現職理事が4人いたことだ。出羽海一門の春日野親方(元関脇・栃乃和歌、63)、境川親方(元小結・両国、63)、二所ノ関一門の芝田山親方(元横綱・大乃国、63)そして前述の時津風一門の勝ノ浦親方だ。
「理事選に先立って、協会内で春日野親方を中心に70歳定年を導入する動きがあったが、芝田山親方が勇退の意向をはっきりさせたことで、63歳以上の理事は揃って後進に道を譲る流れになった」(前出・相撲担当記者)
芝田山親方は、八角理事長との確執があるとされ、理事としては教習所所長の閑職に飛ばされていた経緯があるが、「NHK大相撲中継の専属解説者に転じる話があるといい、理事の椅子に未練はなく、一門の後任理事人事にも口を挟まなかった」(協会関係者)という。
