国内

民主党の収入は97%が税金 自民党は81%、公明党は22%

 民主党はある「根本的な問題」を抱えている。それは政権交代を実現する裏側にあった「政治とカネ」の問題である。民主党は自らの政治資金に関する重大な疑惑を闇に葬ろうとしているのだ。その一端を示す〈内部文書〉が存在する。入手した文書をもとに、政権の正当性すら揺るがしかねない「民主党・最大のタブー」をジャーナリスト・松田賢弥氏が追った。

 * * *
 民主党には、党の財政を支える、潤沢な政党助成金がある。09年、民主党に支給された政党助成金と立法事務委託費の総額は約159億円で、党の収入全体の約97%を占める。

 自民党(約81%)、公明党(約22%)など、他党と比べても突出して高く「公金政党」と言っていい。その意味では本来、他党以上に、税金を原資とするカネの使途の説明に、敏感であるべきだ。

 しかし、内部調査の報告書は今もって、公表されていない。これは、理解に苦しむことではないか。

 民主党の小宮山洋子は8月、組織対策費の使途について、党内で調査していることに触れ、こう話している。

「(調査は)今までの支出全体です。(既に一度)専門家の目を通っているわけですが、執行部が代わったわけですから、そこは新しい目で見てもらっているということです」(2010年8月2日付、毎日新聞朝刊)

 ところが、このインタビューの直後、小宮山は、09年に約5億円もの使途不明金を出した当事者である佐藤元財務委員長から、電話でこう激しく詰め寄られたという。

「私が話したら党がぶっ壊れるぞ。墓場まで持っていく話なのに、それでいいのか」(同10月26日付、毎日新聞)

 党がぶっ壊れる、とはどういうことか。ここに、菅、仙谷、岡田ら党執行部がひたすらこの問題、報告書を封印しようとする理由が垣間見える。

 2007年の統一地方選、参院選を足がかりに、09年に民主党は政権交代を成し遂げた。しかし、内部調査の報告書にまとめられた、組織対策費の支出の日付を見ていくと、それらの選挙の度にカネが動いていたことがわかる。

 07年の年初から、統一地方選が行なわれる4月8日までの間、山岡へ出金された組織対策費は計5億円(1月24日に1億円、2月12日に1億5000万円、3月5日に2億5000万円)。さらに、そこから7月29日の参院選までの間では計9億円(4月10日に1億5000万円、4月20日に1億円、5月8日に1億5000万円、5月25日に5000万円、6月5日に2億5000万円、7月9日に2億円)となる。

 躍進した選挙の度に、巨額の使途不明金が生まれているのだ。この手法を主導したのは、小沢であるが、約3年半で総額36億円もの使途不明金を生み、その多くが何らかのかたちで選挙に使われているのであれば、これは民主党の政権そのものの正当性を揺るがしかねない。
(文中敬称略)

※SAPIO2011年1月6日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン