芸能

素人に投資困難なミナミ 紳助が手出せたのはK会がいたお陰

本誌・週刊ポストでは、引退会見のずっと以前から島田紳助を大阪府警がマークしてきたことをいち早く報じた。引退後、“紳助捜査網”は安藤隆春・警察庁長官の号令でますます拡大しつつある。ジャーナリストの伊藤博敏氏が、府警捜査4課が注視する紳助の不動産ビジネスの“本丸”を追った――。

* * *
「紳助マネー」が、大阪の繁華街ミナミの心斎橋あたりを“徘徊”していた。

飲食店ビルを扱う不動産業者がいう。

「今時、キャッシュでミナミの物件を買える人間は、指で数えられるほどしかいない。そのうちの一人が島田紳助で、ややこしい案件に手を出す業者がいれば、『紳助がカネを出してるん違うか』という話になる」

企業が入居するオフィスビルと違い、バーや飲食店が入居する、いわゆる「社交ビル」は賃借権が売買され、又貸しが横行、経営は容易ではない。

まして「ミナミ」は、東京でいえば新宿・歌舞伎町のような“活気”に溢れており、トラブルは日常茶飯事。その分、うまくやれば儲かる半面、素人が手を出せる環境にはない。

紳助はそこに打って出ていた。

大阪府警関係者は、それが可能だった理由は、紳助が引退記者会見で親しい関係と打ち明けたA氏こと元ボクシング世界王者の渡辺二郎、そして山口組系K会の会長・B氏の存在にあると睨む。

「紳助のビルのケツ持ちはK会」

というのは、ミナミを根城にする暴力団関係者はもちろん、「夜の世界」に生きるバーや飲食店の経営者、事情通のホステスにとっては“常識”だった。

本誌前号のレポートでは、大阪府警にとって紳助は「お客さん」であり、いつもマークしておくべき存在であったと指摘した。

紳助はミナミの徒歩10分圏内に4棟の社交ビルを所有。素人商売のはずなのに、なぜかトラブルの話は聞かれず、あったとしても未然に防ぐシステムを上手く築いていたようだ。

暴力団による組織犯罪を担当する府警捜査4課関係者がいう。

「家賃を払わない、転貸しする、怪しい商売をする、追い出そうとすればゴネて居座る……。そんな連中相手に単なる芸人でしかない紳助が立ち回るのは無理。むしろ彼らは有名人だから何もできないとなめてかかる。ところが紳助のミナミのビルがそうならないのは、ケツ持ちのK会のおかげではないか。とすれば、そこに金銭関係が生じると考えるのが自然でしょう」

ヤクザが関与しているのが事実なら、僕はハラを切りますよ――。

紳助は会見で見得を切った。その言葉は嘘ではないかもしれない。K会が直接関与していないという自信があるのだろう。しかし、その周辺者はどうなのだろうか。

例えば、紳助が購入したビルの前所有権者の一人がこう口を濁す。

「賃貸に関する交渉は紳助さんの会社でなく別会社としました。紳士的というよりコワモテで攻めてきた。紳助さんの会社がカネを出して買ったと知ったのは後になってから。K会との関係? もう済んだことですわ。ええやないですか」

※週刊ポスト2011年9月16・23日号

関連記事

トピックス

映画『国宝』に出演する吉沢亮と横浜流星
『国宝』の吉沢亮&横浜流星、『あんぱん』の今田美桜&北村匠海、二宮和也、菊池風磨、ダイアン津田…山田美保子さんが振り返る2025年エンタメ界で輝いた人々 
女性セブン
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
地雷系メイクの小原容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「家もなく待機所で寝泊まり」「かけ持ちで朝から晩まで…」赤ちゃんの遺体を冷蔵庫に遺棄、“地雷系メイクの嬢”だった小原麗容疑者の素顔
NEWSポストセブン
渡邊渚さん
(撮影/松田忠雄)
「スカートが短いから痴漢してOKなんておかしい」 渡邊渚さんが「加害者が守られがちな痴漢事件」について思うこと
NEWSポストセブン
平沼翔太外野手、森咲智美(時事通信フォト/Instagramより)
《プロ野球選手の夫が突然在阪球団に移籍》沈黙する妻で元グラドル・森咲智美の意外な反応「そんなに急に…」
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)は被害者夫の高羽悟さんに思いを寄せていたとみられる(左:共同通信)
【名古屋主婦殺害】被害者の夫は「安福容疑者の親友」に想いを寄せていた…親友が語った胸中「どうしてこんなことになったのって」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《累計閲覧数は12億回超え》国民の注目の的となっている宮内庁インスタグラム 「いいね」ランキング上位には天皇ご一家の「タケノコ掘り」「海水浴」 
女性セブン
米女優のミラーナ・ヴァイントルーブ(38)
《倫理性を問う声》「額が高いほど色気が増します」LA大規模山火事への50万ドル寄付を集めた米・女優(38)、“セクシー写真”と引き換えに…手法に賛否集まる
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン