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小沢氏秘書有罪なら政治家の9割以上は違法献金を受けている

9月26日、東京地方裁判所は、中堅ゼネコンの水谷建設から1億円の裏献金を授受し、政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたとして小沢一郎・民主党元代表の元秘書、石川知裕・被告以下3人全員に執行猶予付きの禁固刑を下した(3人はただちに控訴)。

公判では、西松建設が作った政治団体からのダミー献金事件も併せて審理された。判決では、それも違法献金だったと認定した。

しかし、問題の西松建設の政治団体からは、小沢氏以外にも自民党の森喜朗・元首相、二階俊博・元経済産業相、尾身幸次・元財務相、民主党の山岡賢次・国家公安委員長、国民新党の自見庄三郎・金融相をはじめ多くの政治家が献金やパーティ券購入を受けている。当然、彼らも小沢氏と並んで違法献金を立件されなければならないはずだ。

ところが検察は、森氏や尾身氏ら自民党実力者には捜査さえ行なわず、二階氏については会計責任者を事情聴取しただけで不起訴にした。

それに、このケースのような企業や業界が作る政治団体は、どこも同じような運営をしている。これがダミーというなら、恐らく政治家の9割以上が違法献金を受けていることになる。

また、陸山会(小沢氏の政治資金管理団体)が違法だと断じられた政治団体による不動産取得についても、町村信孝・元官房長官は政治資金で不動産を購入し、堂々と政治資金収支報告書に記載していた。しかも町村氏の場合、買った不動産は後に自宅として格安で買い取ったのである。さらに、みんなの党の江田憲司・幹事長はじめ、素知らぬ顔で小沢批判を繰り返す政治家のなかに、20人以上の「不動産購入者」がいる。

今回、大問題のように論じられている収支報告書への「期ずれ記載」や「不記載」に至っては、まさに枚挙に暇がない。2011年の政治資金収支報告書の修正は現在までに約500件にも達している。すべて会計責任者を禁固刑にすべきだ。

そもそも、小沢氏が問われた個人的な運転資金の貸付など、どの政治家も報告書に記載していない。小沢氏だけが正直に書き、それが「書き方が違う」と断罪されているのである。

※週刊ポスト2011年10月14日号

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