国内

小沢一郎氏 若者がネットを使い行動することに希望を見出す

東日本大震災や原発事故への対応を見れば日本の政治の無力さが際立つ結果となっている。その一方で、国民の側をただ手をこまねいていていいのかという疑問もわいてくる。政治ジャーナリスト渡辺乾介氏(『小沢一郎 嫌われる伝説』著者)が政府と国民の関係について小沢一郎・元民主党代表に聞いた。

* * *
――あなたが唱えてきた「自立と共生」の視点から、これだけ病み、傷んだ国土、国民、国家の震災後の在り方を語る時に、どういう再生の方向性があるのか。それは国民があなたに注目する大きな一つの視点だ。

小沢:日本には、市民の力によって政治体制を変えた歴史がほとんどないですから、自ら政治を動かそうという発想がなかなか国民の間に生まれてこない。

ただ、インターネットの広がりとともに、政治に無関心であったといわれている若い人たちがかなり関心を持ち始めて、そして実際に行動するようになったんじゃないだろうかと思う。原発の問題もそうだけれど、年金の問題でも、掛け金(保険料)を払ったって年金をもらえるのかという先行き不安が現実に出ている。いずれも結局は政治の場で解決する以外にないわけだから、だんだん政治に対する見方が変わってきているんじゃないかという気がします。

民主主義社会では、上からの革命というわけにいかない。国民が支持し、国民が支援してくれなきゃ改革はできない。今はほとんどの人がインターネットで情報を共有できるので、普通の人、特に若い人が行動するようになってきたことに、僕は希望を見出します。

――今の答えの中にあったが、年金と消費税がセットで国民生活を闇の中に押し込めようとしている。「国民の生活が第一。」という政権交代の理念と基本政策を、民主党は冷凍保存しようとしているのではないか。

小沢:僕が代表の時に掲げた言葉だから、嫌なんでしょう(笑い)。

※週刊ポスト2012年1月1・6日号

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン