国内

ビートたけし「理解ある父親なんてもんになる必要はない」

『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子…など、様々なジャンルで活躍する論客が、毎号書き下ろしで時事批評を展開する。現在、本サイトでは2月24日に配信された4号に掲載されている「ビートたけしの今週のオピニオン」を全文公開しているが、今回はその完結編。たけしが考える“夢”とはどんなものなのか。

 * * *
 よく「一生を懸けられる仕事を探せ」なんていう親や教師がいる。だけど「一生の仕事」なんてそんなに簡単に見つかるワケがないだろ。で、たとえラッキーなことに「一生の仕事」ってものを見つけても、それで食っていけるかは別問題。才能・努力だけじゃなくて「運」って問題が大きいんだからね。

 オイラだって、別に最初からお笑い芸人になりたかったワケじゃない。いくつかのタイミングと運が重なって、若い頃の自分じゃ想像できないような大人になっちまった。芸人や映画役者なんて、食えなくて当たり前、コンビニの店員をやりながらでも続けられてれば、運がいいってことなんだよ。

 今じゃ世の中豊かになって、たいがいのモノは手に入るようになった。それで、親も子供も世の中も「努力すれば夢は叶う」と勘違いしてしまったのかもしれない。でも本当は「努力すれば叶う夢もごくまれにある」ってことなんだよ。

 オイラがガキの頃は、自然とそれが分かるように育てられてきた。ウチの近所じゃ、「学者になりたい」って子供には、「無理だよ、お前バカなんだから」っていっちゃうし、「グローブ買ってくれ」っていえば、「ウチは貧乏だからダメ」で終わり。そういう毎日だから、子供はおのずと自分の「分」をわきまえることを覚えていったんだよな。

 そういう意味じゃ、やっぱり子供にとって、親父の存在ってのは大きいと思うね。親父にできるのは、いつか子供が挫折した時に、それでも生きていけるタフな心を育ててやること。小さい頃から負荷をかけてやること。子供の心を傷つけることを恐れちゃダメなんだよ。理解ある父親なんてもんになる必要はない。父親は、子供が出会う人生最初の障害でいいんだ。俺はそんな風に考えてるよ、ジャンジャン!

※上記の記事全文は現在配信中の『メルマガNEWSポストセブン』4号で読めます。

『メルマガNEWSポストセブン』

関連記事

トピックス

釜本邦茂さん
メキシコ五輪得点王・釜本邦茂さんが語っていた“点取り虫”になる原点 “勝負に勝たなければならない”の信念は「三国志」に学んでいたと語る
NEWSポストセブン
雅子さまのご静養に同行する愛子さま(2025年8月、静岡県下田市。撮影/JMPA) 
愛子さま、雅子さまのご静養にすべて同行する“熱情” そばに寄り添う“幼なじみ”は大手造船会社のご子息、両陛下からも全幅の信頼 
女性セブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴行動画に批判殺到の花井組》社長らが書類送検で会社の今後は…元従業員は「解体に向けて準備中」、会長は「解体とは決まっていない。結果が出てくれば、いずれわかる」と回答
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
追悼 釜本邦茂さんが語っていた“理想の最期” 自身の両親のように「誰にも迷惑をかけず逝きたい」と話し、「葬儀ではマツケンサンバを」と笑顔で語る一幕も
NEWSポストセブン
ベッド上で「あー!」
《大谷翔平選手の“アンチ”が激白》「すべてのアンチに、アンチとしての覚悟を持ってほしい」地獄の応援芸・740km超えマラソンでたどり着いた“アンチの矜持”
NEWSポストセブン
猫愛に溢れるマルタでは、動物保護団体や市民による抗議活動が続いているという(左・時事通信フォト)
《深夜に猫地面にたたきつける動画》マルタで“猫殺し”容疑で逮捕の慶應卒エリート・オカムラサトシ容疑者の凶行と、マルタ国民の怒号「恥を知れ」「国外に追放せよ」
NEWSポストセブン
大神いずみアナ(右)と馬場典子アナが“長嶋茂雄さんの思い出”を語り合う
大神いずみアナ&馬場典子アナが語る“長嶋茂雄さんの思い出”「こちらが答えて欲しそうなことを察して話してくれる」超一流の受け答え
週刊ポスト
夜逃げした「郷土料理 たち川」に、食品偽装があったという(左はinstagramより、右は従業員提供)
「飛騨牛はホルスタイン、天然鮎は養殖モノ…」岐阜・池田温泉、町が委託したレストランで“食品偽装疑惑”「仕入れ先が減り、オーナー自らスーパーで割引の商品を…」【7月末に夜逃げしていた】
NEWSポストセブン
痩せる前のエヴィヤタルさん(インスタグラムより)
「弟はもはやガイコツ」「この穴は僕が埋葬される場所だろう」…ハマスが“人質が自分の墓を掘る”動画を公開し世界各国から非難噴出《飲まず食わずで深刻な飢餓状態》
NEWSポストセブン
本州に生息するツキノワグマ。体長120~180センチほど。最近では獣害の被害が増えている(イメージ)
《襲われる被害が多発》クマに悩まされる養蜂家たちが告白 「今年はあきらめるしかない…」「槍を作って山に入るヤツもいる」
NEWSポストセブン
デコラファッションで小学校に登校していたいちかさん、中学生となり衝撃の変貌を遂げていた…!
《デコラ小学生が衝撃の変貌》グリーン&ゴールド髪が“黒髪少女”に大転身「ほぼスッピンのナチュラルメイクで中学に登校する」意外な理由とは
NEWSポストセブン
昨年に第一子が誕生したお笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行、妻・沢井美優(右・Xより)
《渋谷で目立ちすぎ…!》オレンジ色のサングラスをかけて…ティモンディ・高岸、“家族サービス”でも全身オレンジの幸せオーラ
NEWSポストセブン