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催眠術を習った53歳男 妻からとある情報引き出す深謀あった

 夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(53歳)が家具メーカー勤務の奥様(49歳)。奥様は不眠症気味なのだとか。

 * * *
「熟睡まではいかないけど、催眠術をかけると、脳波は睡眠の初期状態である『入眠期』になるらしいんだ。少しは効果があると思うから試してみよう」と、通信講座で催眠術の勉強を始めた主人。結婚して22年ですけど、「まだまだ、私のことを愛してくれているんだわ」と感謝です。

 ただ、主人の学び方がダメだったのか、全く催眠状態にならないんです。でも、一生懸命、真剣な表情で術をかけようとしている主人に申し訳なくて、かかったふりをしました。目を閉じ、30分後、主人の合図で、瞼を開けます。

「どうだ?」
「スッキリした気分よ。体が楽だわ」
「よかったなあ」

 主人の労りの眼差し、この年齢になっても、胸キュンです。

「日頃いいにくいことを催眠状態でいうのも、ストレス解消になるよ」と主人がいうので、またかかったふりをして、「夫への不満は?」と聞かれると、「欠点のないところが不満です」とサービス解答で、夫をニンマリさせていました。

 ところが、今日の質問は「ヘソクリの金額ってどれぐらい? どこに隠してるの?」ですって! 催眠術を習った真の目的はこれだったのね! 術にかからないし、そんな質問にも引っかかりませんから!

※週刊ポスト2012年3月30日号

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