国内

「原発マネー」1億2647万円が流れ込んだ9人の学者の回答一覧

 日本の原発政策には科学者の知見が不可欠だ。しかし、専門家の知見は本当に適切に諸政策に反映されているのか?

 昨年6月、テレビで原発事故についてコメントする大学教授たちに8億円もの「原発マネー」が流れ込んでいることを明らかにしたジャーナリスト・佐々木奎一氏と本誌取材班は、再び情報公開請求と直撃取材によって、「新たな原発マネー」の存在を掴んだ。原発・電力会社、ゼネコン関連などの資金提供元から、1億2647万6693円ものカネが、津波や活断層を研究・評価する学会(社団法人・土木学会の「原子力土木委員会」委員の大学教授たち)に流れていたのだ。

「奨学寄付金」「受託研究」「共同研究」などの名目でカネが流れた研究者たちは、その事実についてどう答えるのか? 以下は、その回答である。

●前川宏一(東京大学大学院工学系研究科教授)=奨学寄附金1519万円
「規則に基づいて適正に受け入れ、会計規定に基づき適正な執行を行なっている」

●堀井秀之(東京大学大学院工学系研究科教授)=受託研究1000万円、共同研究150万円
「規則に基づいて適正に受け入れ、会計規定に基づき適正な執行を行なっている」

●田中和広(山口大学大学院理工学研究科教授)=奨学寄附金200万円
「奨学寄附金は火山の研究のためのもので、(提供元は)九電の子会社だが、原発という意識はなかった。原子力土木委員会には、最初に1回出ただけで具体的には活動していない」

●谷和夫(横浜国立大学理工学部教授)=奨学寄附金530万円、共同研究(不明)
「共同研究は原発に関係あるものとないものと両方ある。津波評価部会は、個別のサイトの評価結果は示していないし、自分は原子力産業から資金提供を受けていない」

●丸山久一(長岡技術科学大学工学部教授)=奨学寄附金100万円
「寄附金は、実験・調査に関わる諸経費(機器の購入、材料の購入、旅費、文献購入費等)、研究補助をしてくれる学生への謝金等に使われる。専門はコンクリート工学なので、その観点から委員会の議論に加わっている。2002年2月の『原子力発電所の津波評価技術』には一切関わっていない。研究者、技術者として、自分で築いてきた内容、感覚に背いてまで発言することは、これまでなかったし、今後もないと思う」

●山崎晴雄(首都大学東京都市環境学部教授)=奨学寄附金330万円、受託研究1297万4843円
「取材はお断わりする」

●大西有三(京都大学副学長、元工学部教授)=共同研究3150万円、受託研究1212万4350円
(締め切りまでに回答なし)

●米山望(京都大学防災研究所准教授)=奨学寄附金540万円、共同研究1225万7500円、受託研究63万円
「原子力土木委員会の委員への就任は2011年6月であり、奨学寄附金等はすべて水力発電に関するもの」

●宮川豊章(京都大学大学院工学研究科教授)=奨学寄附金700万円、共同研究630万円
「奨学寄附金は実験費用等に使った。共同研究、受託研究は全て原発とは関係のない研究。津波が専門ではないし、学会の委員会で発言がお金の出し手に対して甘くなるようなことはない。そちらの定義する原子力産業には、大きな違和感がある。大きな組織の関係ない他部署から、受託研究や奨学寄附金をいただいている。

 津波想定を議論したのは私が委員になる前だが、当時の工学の最先端の成果であったと考えている。技術のレベルが未熟だったかもしれないという忸怩たる思いはあるが、責任問題とは違う次元の話だと考える」

※SAPIO2012年4月4日号

関連記事

トピックス

大谷の口座から26億円を受け取った胴元・ボウヤーが独占取材に応じた(Aflo)
《独占スクープ》大谷翔平の26億円を騙し取った“違法賭博の胴元”が告白!「水原一平、エンゼルスとの本当の関係」【蜜月ポーカー写真の存在】
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
《父・水谷豊は1人娘の背中をそっと押して》女優・趣里と三山凌輝、結婚発表の直前まで続いていた母・伊藤蘭との「家族会議」
NEWSポストセブン
比例でトップ当選を果たした石井章氏に浮上した“税金還流疑惑”(写真/共同通信社)
秘書給与不正受給疑惑の石井章・参院議員 2022年には“ファミリー企業”や“幽霊会社”への税金還流疑惑も
NEWSポストセブン
今年もMVPの最有力候補とされる大谷翔平(写真/Getty Images) 
《混迷深まるハワイ別荘訴訟》「大谷翔平は購入していない」疑惑浮上でセレブ購入者の悲痛、“大谷ブランド”を利用したビジネスに見え隠れする辣腕代理人の影
女性セブン
志穂美悦子との別居が報じられた長渕剛
《長渕剛・志穂美悦子についに別居報道》過去の熱愛スキャンダルの時も最後に帰った7億円豪邸“キャプテン・オブ・ザ・シップ御殿”…かつては冨永愛が訪問も
NEWSポストセブン
学校は誠実な姿を生徒たちに見せることができるだろうか(HPより)
《ゴルフの名門・沖学園高等学校で複数の暴力事案が発覚》激怒した寮長の投げた金属製コップが生徒の目元に直撃…流血で数針縫うケガ
NEWSポストセブン
死因は上半身などを複数回刺されたことによる失血死だった(時事通信フォト)
《神戸女性刺殺》谷本将志容疑者が被っていた「実直で優秀」という“仮面” 元勤務先社長は「現場をまとめるリーダーになってほしかったくらい」と証言
週刊ポスト
「部員は家族」と語ってきた中井哲之監督だが…(時事通信フォト)
“謝罪なし対応”の広陵高校野球部、推薦で入学予定だった有力選手たちが進路変更で大流出の危機 保護者は「力のある同級生が広陵への進学をやめると聞き、うちも…」
週刊ポスト
還暦を過ぎて息子が誕生した船越英一郎
《ベビーカーで3ショットのパパ姿》船越英一郎の再婚相手・23歳年下の松下萌子が1歳の子ども授かるも「指輪も見せず結婚に沈黙貫いた事情」
NEWSポストセブン
ここ数日、X(旧Twitter)で下着ディズニー」という言葉波紋を呼んでいる
《白シャツも脱いで胸元あらわに》グラビア活動女性の「下着ディズニー」投稿が物議…オリエンタルランドが回答「個別の事象についてお答えしておりません」「公序良俗に反するような服装の場合は入園をお断り」
NEWSポストセブン
志穂美悦子さん
《事実上の別居状態》長渕剛が40歳年下美女と接近も「離婚しない」妻・志穂美悦子の“揺るぎない覚悟と肉体”「パンパンな上腕二頭筋に鋼のような腹筋」「強靭な肉体に健全な精神」 
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 大谷翔平「賭博トラブル」の胴元が独占告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 大谷翔平「賭博トラブル」の胴元が独占告白ほか
NEWSポストセブン