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若者の夢と共にバブル前夜から終焉まで走り抜けた『GORO』

 高度経済成長が一息ついた1974年、雑誌『GORO』は生まれた。学生運動に乗り遅れ、後に「シラケ世代」と呼ばれる若者たちが大学生になる頃だった。若い男性向けのグラビアや性特集記事で一躍人気雑誌となった。

 コラムニストの亀和田武氏も、同誌で若者文化を語ってきた一人だ。

「いい意味で“ユルい”雑誌でした。当時『若者vs大人』という構図の中で、圧倒的に若者の味方をした。数年後に企業戦士になる学生の『いまは遊びたい』という気持ちに寄り添ったんです。エロもやれば映画評論や車特集もあって、『なんでも吸収してやるぞ』というバブル期の世相にマッチしていました」(亀和田氏)

 1970年代のウーマン・リブ運動を経て、女たちの開放的な振る舞いが進んだ。ボディコンギャルが扇子片手に踊り狂った。男は女を落とす手練手管を求め、女の尻を追った。しかし1989年にバブルがはじけた。3年後の1992年、『GORO』は休刊を迎える。

「時代に余裕がなくなったのでしょう。いろいろ入っている『GORO』ではなくファッションならファッションだけ、エロならエロだけの雑誌に若者の目がいくようになった。ピンポイントで自分の欲望を満たすモノを求め出したんです」(亀和田氏)

 バブル前夜から終焉まで、若き男の夢と共に走り抜けた雑誌だった──。

※週刊ポスト2012年5月4・11日号

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