国内

「NHKのフジテレビ化」がフジテレビ凋落の原因と女性作家指摘

 フジテレビの凋落が止まらない。かつて年間視聴率3冠の座に君臨していた輝かしき民放局は、いったいなぜ、人気ナンバーワンの座から滑り落ちてしまったのか。そのヒントは、2009年に始まったNHKとフジテレビとの積極的コラボレーションにあると、作家で『五感のチカラ』著者の山下柚実氏は指摘する。以下は、山下氏の視点である。

 * * *
 フジテレビの危機が叫ばれています。オダギリジョー主演のドラマ「家族のうた」が低視聴率で打ち切り。エースと呼ばれる伊藤利尋アナが、当て逃げ。フジテレビ社員の暴行・器物損壊容疑、飲酒運転で追突事故の疑いと、逮捕報道も続いています。

  だいじょうぶ? フジテレビ。

 かつては7年間も年間視聴率3冠(全日、ゴールデン、プライム)の座に君臨していた輝かしき民放局。それが、日テレに負けて首位陥落で巻き返しもままならない中、視聴率低下に次々のスキャンダル。焦りも大きいはず。
 
  いったいなぜ、人気ナンバーワンの局が一気に凋落してしまったのでしょうか? その原因の一つとして指摘されているのが、地デジ化。「8チャンネル」がラテ欄で一番右の端になったことが、視聴率低下の要因の一つとして語られています。

 視聴者の目に留まりにくくなり、リモコンボタンでも後の方になってしまったことが、視聴率に影響したのではないか、というのです。

 しかし、原因はそれだけではないはず。もしかしたら、「フジテレビの凋落」は、「NHKのフジテレビ化」と関係があるとは言えないでしょうか?
 
 NHKがフジテレビと積極的にコラボレーションを始めたのは2009年。ともに開局50周年を迎えたことがきっかけで、番組作りでも協力関係が促進されていったもようです。

  NHKも、「視聴率」を高めようと躍起になっていた時期。両局は番組出演者の相互出演や、同時生放送、グッズ開発などで「コラボレーション」を深めていきました。

 ご存じのように、NHKはタレントやバラエティに強い民放の手法を吸収することで、若者の関心をひこうとし、番組内容も変化していきました。
 
  何人ものタレントを束にしてスタジオにズラリと並べる。お笑い芸人とタレントがクイズに答えるといった番組作り。ジャニーズやAKBの集客力に依存するパターンも目立つように。NHKのアナウンサーがニュース番組の中で意味無く甲高い声を出してはしゃぐ、女子アナ化……。
  
「わいわいがやがや、お笑い芸人とタレントばかりでウルサイ!」。と頭にきてチャンネルを替えたら、それがNHKの番組だったことに気付く、なんてことも今や珍しくありません。民放の旅番組の静けさに癒されるという逆転現象も生まれています。
 
 NHKが、「視聴率アップ」に奔走したその結果、「NHKのフジテレビ化」はみごとに進んだ。しかし、フジテレビは二局はいらない。1チャンネルでバラエティ番組を堪能したら、もう8チャンネルにあわせなくても十分。
 
 そんな「NHKのフジテレビ化」によって、もしフジを見る人が減ったのだとしたら……。ブラックジョークとしか言いようがないですね。

  お笑い番組、バラエティ番組を重視しているNHKの姿勢には、国会議員からさえ苦言が呈される時代。今後、1チャンネルと8チャンネルの内容は、どこへ向かうのか。両局の変化に注目です。

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン