ライフ

【大阪・関西万博・河瀨直美さんインタビュー】“答えのないパビリオン”なぜ人気? アンチから200回来場するリピーターも

テーマ事業プロデューサーの河瀨直美さん。生まれ育った奈良を拠点に映画を創り続ける映画作家。パビリオン内で河瀨さんが作業をする定位置は、この“校長室”の机

テーマ事業プロデューサーの河瀨直美さん。生まれ育った奈良を拠点に映画を創り続ける映画作家。パビリオン内で河瀨さんが作業をする定位置は、この“校長室”の机

 一般来場者数の累計が2000万人を突破した大阪・関西万博。猛暑もようやく落ち着いたところで来場者数はさらに伸び続け、9月になってから一般来場者数は平日過去最多の約21万人を記録。10月13日の閉幕へ向けてさらなる盛り上がりを見せている。

 人気パビリオンは相変わらず長蛇の列。これから駆け込みで訪れようという人も、涼しくなってきたからまた落ち着いて行ってみるという人も、限られた時間の中で、どこを見ておくべきか。

 世界各地で撮影コーディネートやプロデュースを行っているマキ・コニクソンさんは、大阪・関西万博を訪れてこう話す。

「行きたいパビリオンを事前に絞っておくのはもちろんですが、各界で活躍する日本人プロデューサーがそれぞれの視点で“いのち”をテーマに創り上げた“シグネチャーパビリオン”はやはり必見です。そんな中で、特に私の心に残ったのは “対話シアター”。テクノロジーが集結する万博会場の中で、ほっと癒やされる時間、空間でした。対話シアターの内容は一度として同じことはないので説明するのは難しいのですが、ぜひ実際に行って体験してみてほしいです」

 その“対話シアター”とは、映画作家・河瀨直美さんプロデュースの「Dialogue Theater -いのちのあかし-」。シグネチャーパビリオンのうちのひとつで、「パビリオン満足度ランキング」(『大阪・関西万博ぴあ 完全攻略編』)でも、来場者の出口調査で180以上あるパビリオンの中から5位に選ばれている。

 河瀨直美さんに、ここまでの手応えや開催期間もあと1か月をきった万博へ込めた思いを聞いた。

184 日間毎日変わる「問いかけ」

 最先端技術によるエンタテインメント性の高いパビリオンが肩を並べる中で、「Dialogue Theater」はとてもアナログ。奈良県と京都府の2つの木造廃校舎を移築し生まれ変わった3棟の建物からなっている。

河瀨直美さんプロデュースのパビリオン内にある「森の集会所」は2012年に廃校になった奈良県の旧折立中学校校舎から生まれた

河瀨直美さんプロデュースのパビリオン内にある「森の集会所」は2012年に廃校になった奈良県の旧折立中学校校舎から生まれた

 万博会場を訪れると、昭和にタイムスリップしたような木造の外観からして、他のパビリオンとは全く違った佇まいで目をひく。

校庭で子供たちを見守ってきた福知山の推定樹齢100年のイチョウも移植されシンボルツリーとなっている

校庭で子供たちを見守ってきた福知山の推定樹齢100年のイチョウも移植されシンボルツリーとなっている

奈良や京都に自生する植物や廃校の壁に茂っていたツタ、廃校から移植したイチョウに癒される「記憶の庭」。

奈良や京都に自生する植物や廃校の壁に茂っていたツタ、廃校から移植したイチョウに癒される「記憶の庭」。

 建物内も、学校だった当時がそのままに活かされている。

樹齢約400年の杉板がスピーカーに。奈良県川上村で採録された自然の音が、耳を当て手を触れると振動となって伝わってくる

樹齢約400年の杉板がスピーカーに。奈良県川上村で採録された自然の音が、耳を当て手を触れると振動となって伝わってくる

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン