国際情報

モサドの強みは世界を敵に回してでも生き残る国是と佐藤優氏

 中国大使館元書記官の“スパイ疑惑”が浮上し、世界各国のインテリジェンス機関に注目が集まっている。各国のインテリジェンス機関を知る元外務省主任分析官・佐藤優氏は、中でもイスラエルのインテリジェンス機関・モサド(諜報特務庁)やシンベト(保安局)、アマン(軍事諜報局)が実に優秀だと指摘する。その理由はどこにあるのか。佐藤氏が解説する。

 * * *
 イスラエルのインテリジェンス機関が強力な理由は、この国が特別の使命を持っているからである。

 独自国家を持っていなかったため、第二次世界大戦中に600万人のユダヤ人が殺害された。この経験を踏まえてイスラエルは、イスラエル国民(そこにはユダヤ人だけでなくキリスト教徒、イスラーム教徒のアラブ人もいる)に加え、全世界のユダヤ人を擁護するという特別の使命を持っている。

「全世界に同情されながら滅亡するよりも、全世界を敵に回して戦ってでも生き残る」ということをイスラエルは国是にしている。そのためイスラエルのインテリジェンス機関は、全世界のユダヤ人ネットワークを活用することができる。このネットワークは、単に情報を入手するためだけでなく、他の民族の内在的論理を世界各地に居住するユダヤ人の同胞から教えてもらうためにも活用できる。

 日本が対外インテリジェンス機関をつくる際に、モサドから学ぶべきことが多くある。

※SAPIO2012年7月18日号

関連キーワード

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト