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大江健三郎氏が障害を持つ長男や震災を綴ったエッセイが書籍化

【書籍紹介】『定義集』(大江健三郎/朝日新聞出版/1680円)

 毎月1回、朝日新聞紙上で2006年から2012年3月まで書き綴ったエッセイをまとめた書。障害を持つ長男のことから、自身の少年時代の話などテーマは多岐にわたるが、特に終盤は震災後についての記述も増え、そして小説家としていう。

〈私はいま日本人の本質的なモラルとは、次の世代を生き延びさせるべくつとめることで、すべての原発を廃止する決意を示すのがその始まりだと考えます〉。真摯な生き方と言葉が伝わる一冊。

※週刊ポスト2012年8月10日号

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