国内

30代維新塾生「維新がこけたら退会して無所属で出ればいい」

 橋下徹・大阪市長率いる「日本維新の会」がここにきて失速している。各種の世論調査では支持率を減らし、国民が抱いたあの期待感はどこかへ消えてしまったかのようだ。

 維新の失速によって、候補者公募に応じた維新政治塾の塾生たちには大きな動揺が広がっている。 大阪出身の若手塾生はこう悲鳴を上げる。

「早く公募の結果を決めてほしい。維新に風が吹いているうちにというのもあるし、何よりもどの選挙区から出馬するかを決めてもらわないと準備ができない。それに、橋下さんが出馬しなくて戦えるのかという不安も大きい。維新に合流した国会議員たちでは頼りない。われわれ塾生から見ると、あの議員たちは、ホンマは選挙に負けるから維新の看板が欲しくて合流したのが丸見え。本気で維新の改革理念を共有しているとは思えない」

 日本維新の会に合流した国会議員をそう批判するが、維新人気をアテにしてバッジをつけたいという打算は塾生たちも変わらない。

 40代の地方議員は、公認を得ようと維新の議員団や橋下ブレーンの政治家たちから推薦状を何通も集めて出馬の準備を進めてきた。それが水の泡になりかねないと焦っている。

「維新の会の勢いが失速気味なのは事実。肌で感じる。結局、橋下さんは国政進出にあたって領土問題などで大風呂敷を広げすぎて、引っ込みがつかなくなっているんでしょう。それが原因。だから選挙はもっと先のほうがいい。橋下さんのことだから、それまでには反転攻勢をかけてくれると思う。なんとかもう一度風を呼び戻してほしい」

 そう藁にもすがる言い方をしたが、「このまま風が止まればどうするか」と質問すると、「公募辞退も考えます。維新の政治能力や戦略に期待して応募したのだから、その能力が中途半端だったら見切りをつけるしかない」という。

 維新の公認も決まっていないのに「維新の人気が落ちているところに紙爆弾をやられたらどうしよう」と戦々恐々としている元地方議員や、「会社を辞めてまで公募に応じたのに今、選挙をやらなければ落ちてしまう」と焦りを隠さない塾生もいる。

 現職地方議員の30代の塾生は、さらに生々しく本音を語った。

「維新塾には政治の素人とわれわれのような地方議員がいるが、やはり地方議員の方が現実をドライに見ている。たとえ公認をもらっても、維新がこけた場合、『維新の会を信じられなくなった』と辞退して無所属で出るか、参院選や東京なら都議会選挙に回る選択肢がある。選挙資金も自前だから放り出すのは簡単。国会議員もそうですが、ある程度政治をわかっている地方議員はメリットがないとわかればいつでも逃げ出すことを考えている」

「勇将の下に弱卒なし」というが、候補者たちが風に一喜一憂する弱卒ばかりでは、国政に議席を得たとしても、橋下氏の号令一下、改革に邁進するとは思えないのである。

※週刊ポスト2012年10月19日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

多くの外国人観光客などが渋谷のハロウィンを楽しんだ
《渋谷ハロウィン2025》「大麻の匂いがして……」土砂降り&厳戒態勢で“地下”や“クラブ”がホットスポット化、大通りは“ボヤ騒ぎ”で一時騒然
NEWSポストセブン
声優高槻かなこ。舞台や歌唱、配信など多岐にわたる活躍を見せる
【独占告白】声優・高槻かなこが語る「インド人との国際結婚」の真相 SNS上での「デマ情報拡散」や見知らぬ“足跡”に恐怖
NEWSポストセブン
人気キャラが出現するなど盛り上がりを見せたが、消防車が出動の場面も
渋谷のクラブで「いつでも女の子に(クスリ)混ぜますよ」と…警察の本気警備に“センター街離れ”で路上からクラブへ《渋谷ハロウィン2025ルポ》
NEWSポストセブン
クマによる被害
「走って逃げたら追い越され、正面から顔を…」「頭の肉が裂け頭蓋骨が見えた」北秋田市でクマに襲われた男性(68)が明かした被害の一部始終《考え方を変えないと被害は増える》
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「日本ではあまりパートナーは目立たない方がいい」高市早苗総理の夫婦の在り方、夫・山本拓氏は“ステルス旦那”発言 「帰ってきたら掃除をして入浴介助」総理が担う介護の壮絶な状況 
女性セブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
《コォーってすごい声を出して頭をかじってくる》住宅地に出没するツキノワグマの恐怖「顔面を集中的に狙う」「1日6人を無差別に襲撃」熊の“おとなしくて怖がり”説はすでに崩壊
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)千葉県の工場でアルバイトをしていた
「肌が綺麗で、年齢より若く見える子」ホテルで交際相手の11歳年下ネパール留学生を殺害した浅香真美容疑者(32)は実家住みで夜勤アルバイト「元公務員の父と温厚な母と立派な家」
NEWSポストセブン
アメリカ・オハイオ州のクリーブランドで5歳の少女が意識不明の状態で発見された(被害者の母親のFacebook /オハイオ州の街並みはサンプルです)
【全米が震撼】「髪の毛を抜かれ、口や陰部に棒を突っ込まれた」5歳の少女の母親が訴えた9歳と10歳の加害者による残虐な犯行、少年司法に対しオンライン署名が広がる
NEWSポストセブン