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「日本人をジャップと呼んで」とつぶやいた朝日新聞の説明

 中国版ツイッター「微博」に、“小鬼子”との単語を含む書き込みがされたのは11月4日のこと。
 
「訳せば『日本人をジャップと呼んでください』という意味ですね。まあ、中国人は日本人に比べて差別語に対するハードルがはるかに低いですから」
 
 と語るのは、ノンフィクション作家で中国のネット事情に詳しい安田峰俊氏。
 
 確かにいまのギクシャクする日中関係を思えば、一般中国人の“つぶやき”なら、それこそ日常茶飯事、よくあることだろう。しかし、驚いたことにこのツイートを書き込んだのは、なんと日本を代表する大メディア、朝日新聞の公式アカウントだった。
 
 当然、これを見た日本人からは「どこまで反日なのか」、「朝日は中国共産党の機関紙か」といった強い非難の声が続出。騒動の拡がりに気付いた朝日側は、翌5日には当該ツイートを削除。「声明」と題する釈明文を掲載した。
 
 そもそもこのツイートは、細野豪志政調会長が、石原慎太郎前都知事に対して語った、「中国を『支那』と呼ぶことが正しくないのと同様に、中国も日本を『小日本』という蔑称で呼ぶべきではない」という記事の引用に一言付け加えたもの。
 
 なぜわざわざそんな一言をつけたのか。朝日新聞社に問い合わせてみると、次のような回答が返ってきた。
 
「(ツイートは)『もし呼ぶとしたら、(“小日本”ではなく)“小鬼子”と呼びましょう』という意味です。『鬼子』は『日本兵』を意味し、かつては旧日本軍への蔑称として使われた言葉ですが、中国本土では現在は、若い世代を中心に批判的なニュアンスが以前より薄れています。(中略)ただ、批判的なニュアンスが弱いとはいえ、『小鬼子』という言葉を使ったことは、軽率でした」
 
 いくら批判的なニュアンスが薄れているとはいえ、これでは「『アホ』といわないで『バカ』といえ」といっているも同然ではないだろうか。前出・安田氏も呆れながら語る。
 
「『鬼子』は今でも日本人全体を指す蔑称です。確かに『小』がつくので多少柔らかくはなっていますが、基本的にはジャップという意味。いかなる理由があるにせよ、新聞社が使うべき言葉じゃない。日本人の感覚からいえば、あり得ない発言だし、言い回しもスラング的なので、中国人スタッフが書いたんでしょう」
 
 そういえば先日も、元AV女優が中国版ブログの翻訳をまかせていた中国人スタッフに、「尖閣諸島は中国のもの」などと勝手に書かれたトラブルがあった。
 
 朝日も同様なら次はもっとひどいつぶやきが……、なんてことのないよう気を付けて頂きたいものである。

※週刊ポスト2012年11月23日号

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